第43話 睨み合う夜叉と飛天、出会う管理局と海竜
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
先程の感じた狙撃手のごとき視線、ギリギリまで押さえ込んだ殺気、そして、僅かだがあの爆風の中に感じた魔力・・・忘れようとも忘れられない」
「兄者、さっきから何を言ってるんだ?視線だの殺気だのとまるで・・・・」
途中まで言いかけたところで仁九郎は察してしまった。自分の兄が何故笑いだし、怨嗟の声を上げていたのか。そして仁九郎も思い出したのだ。
たった一度だけ戦ったある人物を・・・・
「まさか兄者、あの男が……!?」
青ざめた仁九郎の問いにライゼルは僅かに首を縦に振りながら答えた
「そうだ。又兵衛の情報通り、あの男がこの海鳴にいる。理由は解らんが、どうやら闇の書の守護騎士達と協力しているようだ。さっきの攻撃がその証拠だ」
「そうだったのか・・・・だが兄者、今は・・・・」
「解ってる。今回は私の失態だ・・・・まずはリオンの援護に向かおう」
「・・・・・・・何がどうしたんだ?」
ようやくライゼルと仁九朗と合流できた又兵衛は妙な空気に首を傾げていた。
そんな又兵衛に二人の兄貴分はなんでもないと答え、リオンの援護に向かうと指示を出すが、又兵衛からトンでもない事態が発生したと告げられる。
「何だと?」
「それは本当なのか?」
ライゼルも仁九郎も目を大きく開きながら又兵衛に確認をし、又兵衛も答える。
「ああ、リオンの嬢ちゃんが例の助っ人の侍と小競合いを始めやがった!!」
一方その頃、クロノ達管理局とリオン達との戦闘は膠着状態に陥っていた。何故ならお互い味方であるはずのリオンと抜刀斎がにらみ合いを始めたのだ。
抜刀斎から見れば味方であるはずのリオンがまさかコチラの邪魔をするとは思わなかったらしく、驚愕の表情を晒しながらも、すぐに眉間にシワを寄せながらリオンを睨み付けた。
「…………一体何のマネだ……リオン殿?」
それに対してリオンは臆することなく、むしろ抜刀斎を射殺す程の鋭い眼光を光らせ、睨み返した。
「何のマネ?それはコッチのセリフよ抜刀斎。私達はさっさとこの場から撤収したいだけで、ここにいる子供たちを殺せなんて一言も指示を出してないわよ?」
「それはソチラの言い分であろう?俺はある“御仁”の命を受け、此処に来たのだ。それを今さら標的を殺すなと言われてハイわかりましたと言えるわけないだろ?」
「それこそコッチの知った事じゃないわ。元々ラスト・トレイターは連中をある程度体力を削らせて撤退する予定だったのよ。それを……」
「そちらにどんな理由があろうが俺には関係無い。依頼の人間を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ