暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第71話「それぞれの動き」
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       =out side=









「....皆....。」

「...くぅん....。」

 八束神社にて、一人の女性と子狐がどこかで戦っている者達を想う。

「やっぱり、心配...。」

「...くぅん。」

 女性...那美は、優輝達が今も戦っているであろう事を想像し、余計に心配になる。
 そんな那美に、子狐...久遠は不安そうに鳴く。

「...ううん。きっと大丈夫...。管理局の皆さんもいるんだから、きっと...。」

 不安を振り払うようにそう呟くが、やはり心配が拭えない那美。
 すると、そこへ...。



     ガサガサ...!



「っ...!何...?」

「....!」

 神社の裏...山の方面の茂みから音が聞こえてくる。
 山なので何か動物が出現してもおかしくはないが、那美と久遠は身構える。

「...くぅ...血の、臭い...?」

「血...!?それって...!」

 怪我をしているか...何かを殺してきたか。
 その二択の状態の存在が来るという事に、那美は一層警戒する。

「....ぁ...ぐ...!」

「え....?」

 茂みから、件の存在が現れる。その存在に、那美は驚いた。
 途轍もなくボロボロなのもあるが、何よりもその人物を知っていたから驚いた。

「...葵...ちゃん....?」

「っ....やっと...着いた...?」

 その傷だらけの体は、ボロボロどころではなかった。
 身は抉れ、穴が開き、手足の一部がなくなっているのだ。

「っ...っぐ...うっ...。」

 慣れていなければ吐き気すら催すその状態に、那美は気分を悪くする。

「...っ、ぐ...ぁ...。」

 葵も、体力の限界だったのか、その場で倒れこむ。
 血は止まってはいるが、傷口が塞がっていない。
 血を流しすぎて既に死に体だという事に、那美はそこで気づく。

「っ...!治療...しなきゃ...!」

「くぅん...!」

 すぐに那美は手頃な場所に葵を寝かせる。
 那美の力では運ぶのに少し手間取るので、久遠も人化して手伝う。

「久遠は桶とタオルを持ってきて!桶には水をしっかり!」

「分かった...!」

「ひどい傷...。どんな戦いをしたら、こんな...。」

 土の汚れなどを拭き取れる道具を久遠に頼み、那美は改めて葵の容態を見る。

「っ、....銀の武器で...吸血鬼の再生力を...封じられた...から、ね...。」

「銀...吸血鬼...そっか、弱点...!」

 葵は吸血鬼としての弱点..
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