第3章:再会、繋がる絆
第71話「それぞれの動き」
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
=out side=
「....皆....。」
「...くぅん....。」
八束神社にて、一人の女性と子狐がどこかで戦っている者達を想う。
「やっぱり、心配...。」
「...くぅん。」
女性...那美は、優輝達が今も戦っているであろう事を想像し、余計に心配になる。
そんな那美に、子狐...久遠は不安そうに鳴く。
「...ううん。きっと大丈夫...。管理局の皆さんもいるんだから、きっと...。」
不安を振り払うようにそう呟くが、やはり心配が拭えない那美。
すると、そこへ...。
ガサガサ...!
「っ...!何...?」
「....!」
神社の裏...山の方面の茂みから音が聞こえてくる。
山なので何か動物が出現してもおかしくはないが、那美と久遠は身構える。
「...くぅ...血の、臭い...?」
「血...!?それって...!」
怪我をしているか...何かを殺してきたか。
その二択の状態の存在が来るという事に、那美は一層警戒する。
「....ぁ...ぐ...!」
「え....?」
茂みから、件の存在が現れる。その存在に、那美は驚いた。
途轍もなくボロボロなのもあるが、何よりもその人物を知っていたから驚いた。
「...葵...ちゃん....?」
「っ....やっと...着いた...?」
その傷だらけの体は、ボロボロどころではなかった。
身は抉れ、穴が開き、手足の一部がなくなっているのだ。
「っ...っぐ...うっ...。」
慣れていなければ吐き気すら催すその状態に、那美は気分を悪くする。
「...っ、ぐ...ぁ...。」
葵も、体力の限界だったのか、その場で倒れこむ。
血は止まってはいるが、傷口が塞がっていない。
血を流しすぎて既に死に体だという事に、那美はそこで気づく。
「っ...!治療...しなきゃ...!」
「くぅん...!」
すぐに那美は手頃な場所に葵を寝かせる。
那美の力では運ぶのに少し手間取るので、久遠も人化して手伝う。
「久遠は桶とタオルを持ってきて!桶には水をしっかり!」
「分かった...!」
「ひどい傷...。どんな戦いをしたら、こんな...。」
土の汚れなどを拭き取れる道具を久遠に頼み、那美は改めて葵の容態を見る。
「っ、....銀の武器で...吸血鬼の再生力を...封じられた...から、ね...。」
「銀...吸血鬼...そっか、弱点...!」
葵は吸血鬼としての弱点..
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ