IFエンド 「八神はやて」
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茜色に染まり始めていた空。
それを見上げたのは、かつて大切な家族を空へと還した場所。そこに足を運ぶだけで……ううん、あの日のことを思い出すだけで今でも悲しみや寂しさを覚える。
せやけど……過去があるから今がある。
あの出来事を通して管理局に入り、様々な経験を出来たからこそ私は自分の夢を見つけ歩んで行こうと決めた。だからこそ……その想いを折れることがない強固なものにするために私はひとつの覚悟を決める。それがあの人に向けて言ったあの言葉――
『あんな……わたし、ずっと前から……ショウくんのことが好きやったんや』
――正直今も昔も自分勝手な告白だったと思う。
突然自分の想いを伝えたというのに返事はしないでほしい。もしも自分の夢を叶えることが出来て、そのときも今と変わらない想いを抱いていたなら再び告白する。そのときに返事してほしい。
そんな内容の告白をされれば普通なら怒られてもおかしくない。もしも私が告白された立場だったなら、ショウくんのような返答をすることが出来ただろうか。もしかすると頬を引っ叩いて帰っていたかもしれない。
でも……ショウくんは気持ちのやり場がなくて怒ってたけど激励の言葉をくれた。
それがあったから私はどんなに辛いことがあっても逃げずに前だけを見てやってこれた気がする。もしもあのとき絶交なんてされていたら……多分自分の部隊を作れたとしても六課ほどのものには出来なかったかもしれない。
告白してからしばらくはお互い距離感が分からなくなってもうてギクシャクもしたんやったなぁ。穏やかな気分で思い返せるということは私が大人になったのか、それとも私を成長させてくれたひとつの糧だったのか……。まあそのへんは置いとくことにしよ。
最も大切なんは……ショウくんが私にとってかけがえないのない人ってことや。昔も今も……そしてこれからも。
でも私の中で変わったこともある。
初めてショウくんを見た時は私と同じで寂しい目をしてる子やと思った。表情は人から心配されるのが嫌で笑顔を作っていた私と違って無表情やったけど。それでも似たような傷があるのは何となく分かったのを今でも覚えてとる。
それから図書館で何度か見かける内に話しかけてみたくなった。本が好きな者同士なら何かしら話せると思ったし、自分のことを理解してくれると内心期待しとったからや。まあ最初の方は嫌がられたりしとったけど、根負けしたのか気が付けばショウくんとはよく会うようになっとった。
年下ということが分かってからは弟みたいに思うときもあった。私よりもしっかりしとったからこっちが甘えてばかりやったけど……。
けどそれも闇の書事件……壊れてしまった夜天の書を巡る事件がきっかけで変わり始める。
あの事件がきっかけで私には新しい家
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