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テキはトモダチ
6. 一航戦とビッグセブン(後) 〜赤城〜
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プレートメイルを着込んだ女性……ロドニーと呼ばれた彼女は、静かに目を開いた。綺麗なブルーの眼差しだが、こちらに突き刺してくるような眼差しは非常に鋭い。

「ネルソン級戦艦二番艦のロドニーだ。女王陛下に忠誠を誓った身だが、今は縁あってこちらの中将閣下の指揮下に入っている」

 聞いたことがある。ネルソン級といえば一番艦ネルソンと二番艦ロドニーがビッグセブンの一角だったはずだ。単純に考えて長門さん陸奥さんと同格クラスの艦娘ということか。先の大戦時には、同じく海外艦のビスマルクさんの轟沈にも彼女は一枚噛んでいたはず。

「赤城型航空母艦・赤城です。よろしくお願いいたします」
「ほう。貴公があの一航戦の……」
「私のことをご存知なのですか?」
「知っている。最強の航空戦隊の名は、貴公が思っている以上に世界に轟いている」

 ロドニーさんはそういい、微笑みながら私に近づき右手を差し出してくれた。私もそれにならい、右手を差し出して金属の小手をつけた彼女の右手を取り、握手を交わす。

「よろしく」
「よろしくお願いいたします」

 彼女の握力が強い。表情を見る。口元は微笑んでいるが、こちらに突き刺してくるような鋭い眼差しは変わらない。

「……」
「……」

 私の直感が告げた。彼女はこちらを威嚇している。

「では赤城も来たことだし、本題に入るぞ」

 ソファにふてぶてしく座って私とロドニーさんの様子を伺っていた中将が、汚い声でそう宣言した。私の意識の問題もあるだろうが、中将の声質はやたらとこちらの神経を逆撫でしてくる不快な声だ。ロドニーさんは顔色一つ変えず私との握手をやめると、再び壁際に戻り、姿勢を正した。騎士を思わせる美しい佇まいだが、彼女の全身から戦闘意欲が漏れ出しているようだ。気が抜けない。

 大淀さんが自身のパソコンを開き、電源を入れる。大淀さんのメガネにパソコンの画面に映る文書作成ソフトのロゴが反射していた。彼女はこれから始まる会合の記録係と言ったところか。

「先日、私の耳に信じがたい情報が入った」
「ほぉ。どのような情報ですか?」
「なんでも、深海棲艦の大御所を匿う鎮守府があるそうじゃあないか」

 やはり提督と私の予想は当たった。中将は私達が集積地さんを保護した件でお冠のようだ。まぁ分かりきったことではあるが。

「……」
「……」

 中将と提督が互いに相手を目線で牽制……していない。中将は怒りを抑えきれないといった眼差しで提督を睨みつけているが、提督はいつもの死んだ魚のような眼差しで中将を見つめているだけだ。

 中将が大げさにソファから立ち上がり、これまた大げさにドカドカと軍靴の音を執務室に鳴り響かせて提督の机の前まで来た。提督の眼差しは変わらない。相変わらず死んだ
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