6. 一航戦とビッグセブン(後) 〜赤城〜
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リカの悪徳プロレス経営者を思い出させた。
しばらくそうした後、子鬼さんたちは再び一斉に集積地さんを見た。集積地さんが再度小さくコクリと頷くと、子鬼さんたちは一列に並んで資材貯蔵庫の出入り口に向かってとことこと歩き出していった。
「この鎮守府に……私たちを助けてくれたお前たちに礼がしたい。鎮守府にいる間は、私も資材を集めよう。お前たちが資材を集めるよりも、何倍も効率がいいはずだ」
集積地さんはそういい、私と電さんを真っ直ぐな瞳で見つめていた。先の作戦で私たちは集積地さんと幾度となく戦ったのだが、その度に集積地さんは、自陣に莫大な資材を貯蓄していた。短時間であれだけの量の資材を集め続けていた集積地さんが、今度はこの鎮守府の資材を収集してくれる……たくさんの資材が……鎮守府に集まる……
「じゅるり……」
「? アカギ、どうした?」
しまった。ロドニーさんの時とは違う意欲が刺激されてしまった。想像するだけでおなかがへってくる。口からたれそうになったヨダレをふき、再度集積地さんに確認を取る。キリッ。
「し、失礼……集積地さん、いいのですか?」
「もちろんだ。私の命を助けてくれたイナズマたちに、私も恩返しがしたい」
「ありがとうなのです! ちっちゃい子鬼さんたちもありがとうなのです!」
中将の件で陰が差していた電さんの表情に明るさが戻った。集積地さんに対する彼女の適応力はすごい。数日前に会ったばかりの集積地さんに対しもう心を開き、そして新しい友達をもたやすく受け入れている。駆逐艦・電には驚かされてばかりだ。
「集積地さん」
「?」
「ありがとう。この件は提督に報告させていただきます。後ほど提督から話があると思います」
「分かった」
「先に伺っておきます。資材収集にあたって、何か条件はありますか?」
「私と同じく、PT子鬼たちとも仲良くしてやってくれ。あと私がここにいる間は、出来れば私の仲間との戦いを避けてくれると嬉しい」
「わかりました。当然の要望ですね。あの提督なら、きっとOKするはずです」
「そうか。よかった……私が集めた資材が、仲間を殺すことにはならないんだな」
「ええ」
提督ならきっと『んじゃしばらく出撃はやめよっか』と言うだろう。たとえ電さんが絡んでいたからだとしても、あれだけ体を張って集積地さんをかばった提督ならきっとそういうはずだ。今日の提督の姿を見ていた私は、不思議とそう確信していた。提督はもはや、集積地さんすらも鎮守府の仲間だとみなしているのだろう。
『キヤー! ウキャー!!』
『キャハハ! キャハハハ!!』
2人の子鬼さんたちが早速戻ってきたようだ。二人はボーキサイトの塊を頭上に掲げ、誇らしげに胸を張って私たちの元までとことこと歩いてくると、集積地さ
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