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テキはトモダチ
5. 一航戦とビッグセブン(前) 〜赤城〜
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つもの場所に大淀さんと提督がいつものように佇んでいる。

「赤城、おつかれさん」
「申し訳ありません。遅れました」
「いいのよ」

 来客用のソファには、提督よりも若干年齢が上に見える壮年の男性。この男が永田町鎮守府のノムラ中将か。提督よりもさらに老け込んだ顔な上、頭が若干さびしいことになっている。

「私が来ると分かっているんだからはじめから執務室で待たせておけ!!」
「いやーいつもは時間きっかりに来ていただける中将ですから、まさか今日は早めにお越しいただけるとは思ってなかったものでして。よほどうちに来るのが楽しみだったようですなぁ。あはははは」
「愛想笑いもほどほどにしろよ?」
「愛想笑いだなんてとんでもございませーん。あははははは」
「敬語の使い方を間違っとる上に目が笑っとらんぞ」

 そしてその中将の背後の壁には、見慣れない女性が姿勢をただし、立っている。

「……」

 所々に金のアクセントが入った銀色の西洋の鎧……プレートメイルと言ったか……それに身を包み、左腕で兜……アーメットヘルムを抱えたその女性は、目を閉じ、ただ静かに佇んでいた。腰には一本の剣を携え、背中には円錐状の巨大な槍が背負われている。綺麗な金髪を丁寧に編みこんだ髪型で端正な顔立ち。私と同じぐらいの背格好で、同じぐらいの歳と思われる女性。提督の予想は当たっていたようだ。

「おい赤城」

 不愉快な声が鳴り響く。ソファで偉そうにふんぞり返っている中将が私を呼んだようだ。人の神経を逆なでしてくる不快な声だが、自分を抑えなければ……。

「はい」
「こいつが気になるか?」
「初めてお会いする方ですから。海外の方ですか?」
「ああそうだ。ロドニー。自己紹介しろ」

 プレートメイルを着込んだ女性……ロドニーと呼ばれた彼女は、静かに目を開いた。綺麗なブルーの眼差しだが、こちらに突き刺してくるような眼差しは非常に鋭い。

「ネルソン級戦艦二番艦のロドニーだ。女王陛下に忠誠を誓った身だが、今は縁あってこちらの中将閣下の指揮下に入っている」

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