5. 一航戦とビッグセブン(前) 〜赤城〜
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。それを伝えない、秘密にしているということは、そこには何か意図がある。提督はそれが気になるらしい。
『永田町には最新鋭の戦艦の艦娘がいる』『今日訪れる艦娘の正体を意図的に隠している可能性がある』『中将は苛烈な性格で、しかもかなり怒り心頭』この3つが導き出す答えは一つ。
「最新鋭の戦艦の子が、ここで暴れる可能性があるということですか?」
「うん。俺達への制裁がてらね。幸か不幸か集積地という口実もあるし、その気になればいくらでも隠蔽は出来るだろう」
提督がそう考える気持ちも分からなくはない。いずれも不確定な情報だろうけど、いちいちこちらの注意を引いてくる情報がこれだけ揃っていれば、慎重にもなるだろう。相手の攻撃からの防衛を考える場合、どれだけ慎重に考えても、考え過ぎということはない。
「まぁ考えすぎかもしれんけどな」
「いえいえ。戦闘においてはそういう慎重さは武器になります」
「ありがと。どちらにせよ、中将は自分が連れてくる艦娘の素性をわざと隠してる。その狙いが何であれ、こちらも万全を期しておきたいわけよ最新鋭の強力な艦娘にうちで暴れられたら手もつけられん」
確かに話に聞くところでは、永田町鎮守府は強力な最新鋭の艦娘が優先的に配備される。大和さんや武蔵さん、最近だとアイオワさんやウォースパイトさんといった一線級の戦力も配備されているはずだ。
「だとしたら、実際に戦闘になった場合は私がいても変わらないのでは?」
「お前は自分のネームバリューを知らなさ過ぎる。『第一航空戦隊』の名前は、最強の航空部隊として国内外に轟いてるんよ?」
「そうなんですか?」
「そうよ? それに、お前さんはうちの子たちの中では実力が抜きん出ている。相手が誰であれこちらの最強をぶつけないと、ハッタリにはならんからさ」
どうやら『一航戦』という肩書は、私が思っている以上の価値があるようだ。いわば提督は、私に抑止力の役割を負わせたいらしい。相手への牽制と威圧には、私の持つ『一航戦』というネームバリューはうってつけのようだ。
それに、提督がこのようなお願いをしてくるということは、逆に言えば私の実力をそれだけ評価してくれているということだ。その点はやはり私もうれしい。たとえ相手がこの提督であったとしても。
「なるほど……わかりました。では私がその場に同席させていただきます」
「頼むよ」
「ちなみにこのことは、電さんたちは知っているんですか?」
「今届いた通達だからまだ伝えてないんだよなぁ。頼める?」
「了解しました」
「最近の電は資材貯蔵庫に入り浸って集積地棲姫と一緒にいるはずだ。ちょうどいいから二人に『今日一日資材貯蔵庫から出るな』って言ってやって」
「……わかりました」
今回の騒動の引き金になった集積地
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