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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十五話 カストロプ星系に侵攻します。
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『本題に入ろう。敵を殲滅するに絶好の支援地点を見出したのだ。』
ロイエンタールから送られてきたデータを見たミッターマイヤーは感嘆の唸り声を発した。ここから敵の本隊に向かって火線を敷けば、死角を突かれた敵は不意を突かれるだけでなく、退路を断たれたと混乱に陥るだろう。しかもこの地点は小惑星帯に囲まれており、ただちに反撃して殲滅できる、というような場所ではない。いわば『難攻不落の高地』に陣取り、そこから砲撃を平地に陣取る敵にたたき続ける様なものである。
『むろん、ミューゼル大将閣下の許可をいただくが、どうか?』
「面白い。ぜひやってみよう。何もビッテンフェルトだけに功を独占されるいわれなどないからな。」
ミッターマイヤーは僚友の提案にすぐさま同意を示した。
 ロイエンタール、ミッターマイヤーから通信を受けたラインハルトは作戦の詳細を聞き、数秒間考え込んだが、すぐにうなずいた。
「いいだろう。卿らの兵力をもってかの地を制し、もって敵部隊の崩壊への速度を倍加せしめよ。戦場での進退は卿等に任せる。」
『御意!!』
スクリーンから姿を消した二人は、すぐさま麾下の部隊をまとめて、進発しにかかった。
「キルヒアイス。」
ラインハルトは傍らに立つ赤毛の相棒を見上げた。
「戦列を組みなおす。相対する敵に攻撃を倍加させ、ロイエンタール、ミッターマイヤーの動きから敵の注意をそらす。ビッテンフェルトだけでは少し心もとないが、掩護として差し向けるには誰がいいと思うか?」
キルヒアイスは少し考えをまとめる風だったがすぐに、
「ルッツ提督はいかがでしょうか?ミュラー、メックリンガー両提督には全面攻勢に出る際の両翼をお任せなさればよろしいかと思います。ワーレン、アイゼナッハ両提督にはさらに絡め手からの敵全面崩壊に誘い込む一手をお任せなさればよろしいかと。」
ラインハルトは満足そうに微笑した。キルヒアイスが麾下の諸提督一人に手柄を占めさせず、それぞれに存分な戦働きの場所を与えるように配慮していることが分かったからである。
「お前は優しいな。自分の功名よりも他人に手柄を立てさせ、昇進せしむることを優先している。」
「彼らが昇進すれば、ラインハルト様の良き支えとなりましょう。」
「それだけではないぞ、お前にとってもだ。キルヒアイス。お前は俺の半身だ。」
ラインハルトがキルヒアイスに向かって『半身』という言葉を投げかけたのはこれが初めてであった。
「俺はな、キルヒアイス。お前があの日言ったことをよく覚えているぞ。姉上の事が好きだとな。」
「ラインハルト様!!!」
キルヒアイスが珍しく真っ赤になってうろたえている。「戦場でこの人はなんてことをばらしてくれるんだ!?」という気持ちを全開にして。
「ははは、そう怒るな。すまなかったな。ともかくだ、俺はお前が姉上と
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