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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十五話 カストロプ星系に侵攻します。
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撃していった。この左右の二艦隊に襲われたブリュッヘル伯爵艦隊は「瓢箪型」に陣形が変わっていった。すなわち中軍を敵に圧迫され、前衛と後衛が分断される危険性に陥ったのである。
ブリュッヘル伯爵は33歳の青年貴族、寡黙であまり社交的ではないものの、貴族出身の軍人として中将の階級を持つ身でもある。戦場においては守勢を得意として分艦隊を指揮していたが、このような大規模な艦隊を指揮する身となってもそのスタンスは変わらなかった。
彼は待っていたのである。ヒルデスハイム伯爵らが埒もない攻撃をした結果、こちら側の逆激を受け手痛い損害を被った。その屈辱を何としても彼らは果たそうとするだろうことを予測していたのである。
そしてメルカッツ提督陣営にとっては不幸なことにこの予測は的中することとなった。助けられたヒルデスハイム伯爵らは後に軍令違反で処罰されることに恐慌をきたし、かつ自らの無能ぶりを白日の下にさらされたという焦りと怒りによって狂奔ともいうべき突撃を敢行したのである。
「突撃だッ!!先ほどの屈辱を倍返しするためにも、敵の司令艦にかじりつけッ!!」
ヒルデスハイム伯爵の号令は部下たちに止められたものの、怒りに燃える伯爵はほとんど狂騒ともいうべき振る舞いをもって部下たちを黙殺し、艦隊を全速前進させてきたのだった。
「いかん。突出しすぎている。ヒルデスハイム伯をとめるのだ。」
メルカッツ提督が通信主任に指令し、通信主任もすぐさま通信回線を開いたが、何の反応も返らなかった。ヒルデスハイム伯爵は通信妨害で聞こえないのか、あるいはわざとそうしているのか、ともあれメルカッツ提督からの停止命令に従わないのである。
「ヒルデスハイム伯爵を御救いせよ。」
メルカッツ提督はやむなく麾下の艦隊に前進を指令した。掩護をすることにしたのである。ヒルデスハイム伯爵がブラウンシュヴァイク公の子飼いの盟友である以上、彼を戦死させればブラウンシュヴァイク公がどんな報復に出るかわからないからである。メルカッツ提督は自らのことについては全く考慮していなかったが、部下や家族が巻き込まれるのを是とするような人間ではなかった。
だが、メルカッツ艦隊の前衛艦隊がいささか前に出すぎ、本隊との間にほんの一瞬空白ができた。その瞬間――。
メルカッツ艦隊旗艦に流れ弾といおうか、一発のミサイルが飛来し、艦橋付近に命中して大爆発を起こしたのである。
艦橋は血の嵐に彩られた。総員は所かまわず吹っ飛ばされ、まるで台風にさらされて根からひっこぬかれた大木のように頭から壁に激突する者、両脚と腹を吹き飛ばされ血と異物をまき散らしながら階段を転げ落ちていった者等、必死に逃げるところを爆風によって旋風を巻き起こしながら旋回する艦の破片に頭をさらわれた者の動体が首の付け根から血を噴出させながらなお勢いで走っていく
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