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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十五話 カストロプ星系に侵攻します。
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督に従うようにあの連中におっしゃったのだと小官も確かに記憶しております。それをないがしろにするとは・・・・。こういう言い方をするのをお許しいただきたいが、閣下のお顔も、ブラウンシュヴァイク公のお顔もつぶす仕儀に他ならないではありませんか。同じ貴族でありながらまったく恥ずかしい次第です。申し訳ありません。」
一人の将官が憤懣やるかたない様子で苦言を呈した。28歳の若き金髪白皙の中将はウェリントン伯爵である。貴族でありながら彼は正規艦隊の司令官の一人としてメルカッツ提督の部隊に参加し、先ほどの会議上では貴族連中をむしろ苦々しく見守っていた人間だった。
「卿が謝る必要はあるまい。」
メルカッツは短くそういったが、かといって貴族連中を擁護しようともしなかった。それからは会議が沈滞した時によく見受けられる散発的な意見の出し合いが続いた。いっそ貴族連中に出撃の許可を与え、一度痛い目に合わせた方がいいのではないかという辛辣な意見も出たが、これはラインハルトが、
「私兵とはいえ、その下士官、兵たちは正規軍に配属されている下士官、兵と変わらぬ人間です。そのような者の命を無駄にもてあそぶようなまねを正規艦隊がしてよいのでしょうか。」
と言ったので、却下となった。正規艦隊上層部にしても下級兵士らの命などどうでもいいと思う者も確かにいたのだが、それによって士気(モラール)が下がることを恐れたのである。
「貴族連中の妄動を慎ませ、偵察部隊の報告を待って作戦会議を開く。」
という結論に落ち着きかけた時、副官のシュナイダー中佐が血相を変えて飛び込んできた。


ヒルデスハイム伯爵以下の血気にはやる貴族たちが勝手に出撃をしたのだという。


この時、一番舌打ちを禁じ得ない気持ちになったのはメルカッツ自身であろうが、彼は極めて冷静な顔を崩さなかった。
「見捨てておけまい。また、この場合の救援兵力の逐次投入は下策である。全艦隊をもって救援に向かうこととする。」
という彼の意見に反対する者はいなかった。

ヒルデスハイム伯爵たちは血気にはやる貴族私兵と共にブリュッヘル伯爵麾下の正面艦隊に攻めかかっていった。正面からの挑戦で戦法も何もあった物ではない。
ブリュッヘル伯爵の中央本隊前衛は敵に押される形で後退し、凹陣形になった。さすがにヒルデスハイム伯爵らはその露骨な誘いに乗るほど粗野でも単純でもなかった。代わりに比較的薄いと思われる右翼に集中砲火を浴びせ、分断を図るとともに一点突破を狙う策に出てきたのだった。

 だが、それこそが敵の狙いとするところだった。右翼を攻撃するために集まってきたところを、上下から敵の別働部隊が砲撃を驟雨のように浴びせかけながら進出し、所かまわずミサイルをぶっ放したため、ヒルデスハイム伯爵らの部隊は大混乱に陥った。
「落ち着け!落ち
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