第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#18
MILLENNIUM QUEENU 〜Grand Cross〜
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【1】
彼は見ていた。
親愛なる者が目の前で儚く崩れ落ちる姿を。
背後で散る紅い飛沫。
そのまま、一度大きく跳ねた躰が力無く胸の中へと倒れてくるかに想えたが。
「こ、のぉ……ッ!」
己の精神力のみでダメージを振り切った彼女は、
凄まじい怒りの形相で銃弾の来た方向を睨む。
「痛ッッッッッッッッッたいわねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ!!!!!!
何すんのよいきなりィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!」
薄幸の美女が、想い人との永きに渡る(厳密にはたったの一週間)
再会を無残に断たれた悲劇的な光景が、一瞬にして凄惨なる報復の修羅場へと変貌した。
ズァッッッッッッッッッッッグウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ
ゥゥゥゥ―――――――――――――――――ッッッッッッッッッ!!!!!!!!
声を発する間もなくその美女、マージョリー・ドーの細腕を覆い尽くした蒼い炎が
巨大な爪牙を形造り、驚異的な圧力と成って薙ぎ払われる。
視界に存在する5つの高層ビルが斜線状にブッた斬られ、
一度中空に浮いた輪切りの階層が雪崩れ打つように倒壊した。
「手応えがないッッ!! どこだ!! どこにいるぅっ!?
チョロチョロ逃げ回ろうってんならここら一帯跡形もなく吹き飛ばして!!」
爆砕系の焔儀を発動させるため両腕を天空へと掲げる美女、
触れる者スベテを焼き尽くすような気炎が背後からの拘束に制された。
「ダメです!! 止めてください!! ミス・マージョリー!!
ソレでは周りの人々も巻き添えに!!
後で治せるといっても余り粉々になったらッ!」
無駄のない構えで己を羽交い締めにする少年が耳元で必死に叫ぶ。
しかし直撃を受けた屈辱と激痛、何より切望した再会を邪魔された
美女の怒りは修まらない。
「うるさい!! 邪魔するな!! 紅世の徒は!! “私の敵はッッ!!”
一匹残らず殺す!! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
「軽蔑しますよ!! アナタの事!!」
「――ッッ!!」
何をどうしようと贖いようのない、復讐の妄執に取り憑かれた魔獣の業火が、
清廉な少年の叫びで跡形もなく掻き消えた。
「自分の 「目的」 さえ果たせれば他はどうでも良い、
周りの人なんか幾ら傷ついても構わない、
そう想うのなら、ボクはアナタを 「軽蔑」 しますッ!
ソレじゃ “DIO達と同じ” です!!」
別に他意のない、マージョリーの気持ちを利用しての(そこまで自惚れていない)
諌言でもない。
心の底からの真意が花京院の口から迸った。
マージョリーを軽視しているからではない、
何よりも大切に想っているからこその叱
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