第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#18
MILLENNIUM QUEENU 〜Grand Cross〜
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貴様を斃す為には当然の仕儀。
“生きている” 貴様では、
オレが何を言った所で聞き入れはしなかっただろう。
ソレ故にこうせざる負えなかった。
スベテは “お前の存在故に” だ」
寂滅の戦風が吹き抜ける中、オルゴンは自嘲気味にそう呟く。
「だが安心しろ。お前はオレが 『復活』 させる。
お前の 「思念」 は誰にも渡さん。
そしてダンタリオンの手を借りるまでもない。
“死者蘇生の儀” は、統世王幕下に居る間にスベテ識った。
寸分違わぬ姿のまま、新たなる存在として甦らせよう」
冥い、暗黒の淵に囁くように、オルゴンは甘い声で呼び掛ける。
意図を無視して溢れ変える、淀みきった想念。
自分が 「被契約者」 となり、
“史上最強のフレイムヘイズ” を生み出すのもまた面白い。
耽溺する者の傍らで、共に天涯を割り裂き、
互いにソレを感じながら現世と紅世のスベテを討ち滅ぼす。
どこまでもどこまでも。
自分達以外の存在が無くなるまで。
「フッ、ククク、もし “神” という存在がいるのなら、
オレ達ほど周到に配列された因果も他に在るまい。
人間等の言葉で云うならコレも 『運命』
予め定められた理だったのやも知れぬ、な」
本来、多少傲慢な気質はあったが
野望や妄執等の狂熱とは無縁だった男。
DIOに対しても他の甦った徒同様、
それなりの恩義は感じており報いる気持ちも偽りではなかった。
この日、この時、 “彼女” に逢うまでは。
そう考えるならば、狂っていると雖もオルゴンの言葉に
一部の理がないわけでもない。
しか、し。
「ごめん、ですわ……」
「!!」
冥い、暗黒の淵から、亡者のソレとはまったく違う廉潔なる言葉が届き、
同時に一条の光閃がオルゴンを貫いた。
(な、に!? この距離から一体どのような攻撃を!?
否! ソレ以前に “生きているだと!?” )
驚愕と分析の同時進行、加えて躯に染み着いた動きが反射的に
精神を瞬転させる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
暴虐の暗孔から、ゆっくりと、本当にゆっくりと、
眩い光が立ち昇ってくる。
ソレは、次第次第に暗孔全体へと拡がっていき、
やがてスベテの闇を吹き飛ばし空間に迸る。
「……」
その光の中心点。
額から、背中から、あらゆる場所から鮮血を流し、
地の底から昇ってくる女神の姿が在った。
光の階段でもあるかのように、
彼女の足下の空間には歩を進めるごとに
煌めく波紋が棚引いた。
ズタボロに引き裂かれ、ほぼ
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