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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#18
MILLENNIUM QUEENU 〜Grand Cross〜
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だが何とそのスベテがマフラーに絡め取られ、威力を倍化して元の使い手へと戻る。
 天に唾する者は己へと返り、大地を汚さば報いは一人一人が受ける。
 その真意を再認するに充分な光景。
 冥府の淵より甦りし王、 “千征令” オルゴンが総力を顕わにしてから約10分。
 平穏だった街並みは時間が500年殺ぎ飛んだかのように廃絶し、
惨憺足る有様を戦風に晒していた。
 ここに至るまでに滅ぼされた騎士の数は、累計で796体。
 その一体一体が並のフレイムヘイズなら滅ぼせる程の手練れで在りながら、
眼前を翔び交う一人の女に毛筋程の傷もつけられないでいる。
 正に、 「強さ」 とは “数ではない”
そのような打算や俗情を超えた処にこそ存在するという真実を、
受け要らざる負えない女神の威光。
「話しになりませんわね。自らは安全な位置で傍観し、
心もない鉄人形を(けしか) けるだけの“臆病者” には、
負ける気配は微塵も有りませんわ」
「――ッ!」
 そう言って送られる女神の流し目が、
正鵠に 「本体」 を射抜いたが(無論即座に精神を移動させた)
オルゴンは受けた畏怖以上に被虐的な悦びを裡に感じる。
 元より両者の戦闘に於ける心構えは全くの 『逆』
エリザベスが幾ら戦士の誇りを説こうと彼女を手中に収めるコトにしか
意識がいっていないオルゴンには、馬耳へ吹き抜ける東風に過ぎなかった。
「フッ、改めてその力、心より震撼するべきモノだと認めよう
“千年妃”
しかし(たお)されたのは “ホグラー” と“ランスロット” が多数で、
“ヘクトル” にまでは及んでいないようだが?
流石の貴様もあの巨大さには手が出せぬか? ククク……」
 歩兵隊と騎馬隊、ここに至るまでエリザベスが相手をしていた二つの手札、
しかしその後方に位置する砦のような
城塞騎士(その至る所に狙撃兵 “ラハイア” が搭乗している)
“ヘクトル” にはさしもの女神の威力(チカラ)も届かずにいる。
 稚拙な挑発、しかしオルゴンにとっては自信の現れで有ったが
エリザベスは敢えてその言葉に乗る。
 残像も消える速度で瞬時に跳躍、後方に屹立する巨人3体の眼前に姿を現し
即座に搭乗している “ラハイア” が矢の照準を合わせるが、
その小隊が次々に爆散していく。
「――ッ!」
 余りの(ワザ)の練度に、オルゴンの認識が遅れるがその 「正体」 は、
すぐ眼に見える形となって周囲を埋め尽くす。
 山吹と緑青の色彩が鮮やかに映える透明な “泡”
 ソレは女神の躰から無尽蔵に湧き出で浮遊し、そして猟兵を駆逐する。
 波紋法儀 『シャボン・ランチャー』
 身につけている衣服や手袋の中などに
特殊な製法で造られた石けん水を仕込み、
出来た泡に波紋
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