第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#18
MILLENNIUM QUEENU 〜Grand Cross〜
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”
冷然とした声が裡で響く中、無数に枝分かれした触手が
次々とオルゴンの帽子や外套を突き破って潜り込む。
「う、うごおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
おがああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
がぐああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
エリザベスに感じたのとは対極に位置する、
根元的な恐怖にオルゴンは叫声を発する。
即座に己を分割し精神を移動させようと試みるが、
まるで存在ごと触手に囚われたかのごとく分身を生み出せない。
“無駄です。その “肉の芽” には、
前もって私の操作系自在法が編み込まれてあります。
ソレは貴方の存在の 「核」 足る場所に撃ち込まれているので、
幾ら己を分けようとしても無駄。逆に増殖して効果が増大するとお考えなさい”
よく見ると、触手の表面に細かな紋章と紋字が浮かび上がり、
明澄な水色の光を放っている。
ソレが触手本来の能力と合わさって強力に己を支配しているのだ。
しかし全身が麻痺したかの如く動かないのに、
触手が至る所に潜り込んで這い回り一体化していく苦痛や恐怖は、
はっきりと認識出来る。
“貴方が出来ないというのなら結構。寧ろ好都合です。
その存在を依り代として 『私が』 参りましょう。
いずれにせよ心折れし貴方に 『5枚目の手札』 は遣いこなせないでしょうから”
「――ッ!」
今まで誰にも話した事のない、存在すら秘匿していた 『切り札』 を
明確に察知された事にオルゴンは凍り付いた。
触手が一体化する事により精神まで見透かされるのか。
しかし “ソレ” を遣ったら自分は……
“フム、力の残存が気になりましたが、
人間を呑み込み蓄えていたようですね。
その点は評価してあげましょう。
この法儀の難点は、力の行使が相手の存在主体に
なってしまうため私の焔儀が遣えない事ですが、
相手も手負い、まぁ問題ないでしょう”
幾ら叛意を示したとはいえ嘗ての同胞を生き人形に変え、
ソレを使い棄てる事に微塵の躊躇も持たない少女。
冷徹では在ったが冷酷ではなかった彼女の変貌に、
その背後の存在に、悲嘆する事も出来ずただただ恐怖の虜となるオルゴン。
意識はそのままに、しかし躯は隷属し、図らずも
紅世最強の “自在師” と現世最強の 『波紋使い』
その戦いの幕が禁断の帷 を開けてしまった。
←TOBE CONTINUED…
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