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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#18
MILLENNIUM QUEENU 〜Grand Cross〜
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折れ曲がり
弾き返りもせずただ落下していった。
 波紋奥義 『聖 者 の 衣(ジーザス・ヴェール)
 自らの波紋を外に放出するのではなく裡に留めるコトに拠り、
肉体や衣服を頑強にし矢や弾丸をはじく聖技。
 達人クラスになればその硬度を鋼鉄、
更には金剛石のレベルにまで引き上げるコトも可能だと云う。
 常に、断続的に波紋を起こさねばならないため攻撃は出来ないが、
対象に触れていれば自分以外の者も硬化させる事は可能。
 嘗て、数百年の歴史を持つ王国の処刑執行官や王族護衛官の用いた技術(ワザ)
酷似しているが、その関連は不明である。
「ひ……!」
 変わらぬ表情、否、更に悲哀を深めてエリザベスはオルゴンを見る。
 背後から矢で撃った事、
赤子ごと撃ち殺そうとした事を咎める感情は微塵も出さず、
ただただ、寂しく悲しく、オルゴンを見つめる。
「や、やめろ……! み、見るなッ! 
そんな眼でオレを見るなあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!」
 如何なる悲惨な戦場でも、決して感じた事のない恐怖が全身を劈く。
 死ぬ事は怖くなかった、どんな強者にも怯みはしなかった、
しかしこの女の眼は、発せられる気配は、
“死ぬよりも怖ろしい!”
 本当に本当に、自分が虫ケラ以下の存在なのだと、
今まで誇ってきた戦功に価値などないのだと、
否定のしようもなく認めさせてくる。
「少しは、解りまして? 
踏み拉かれる者の、痛みが、悲しみが、苦しみが。
誰だって、同じです。笑っていたい、幸せになりたい、生きていたい。
その事に、強者も弱者もないでしょう?」
 あくまで優しい、旋律のような声、
しかしソレは聞く者によっては悪魔の叫喚に変貌する。
「ひ! ひひ!! ひいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃ
ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 底知れない恐怖の終わり無き生成に、
とうとうオルゴンは幻覚まで視え初めた。
 千を超える己が 『レギオン』 に、
今まで自分が意味無く踏み潰してきた数え切れないほどの人間が、
亡者のようにまとわりつきその身を裂こうと、
或いは地中の奥深くに引きずりこもうとしていた。
 まるで、過去に犯した 『罪』 を具現化し、
ソレをそのまま()(かぶ)せる
『スタンド』 であるかのように。
「不憫な……犯した 『罪』 に堪えきれず、理性が崩壊しましたか。
自らの行いを悔い、過ちを償おうとするならば、
生命(いのち)だけは助けようと想いましたが」
 斃す為ではない、底の無い闇に堕ちた者を 「救う」 為に、
エリザベスは開いた胸元からクリスタルの小瓶を取り出す。
 中に注
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