第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#18
MILLENNIUM QUEENU 〜Grand Cross〜
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責だった。
「……ぁ」
受けた屈辱、傷の痛み、いつも以上に燃え盛っていた憎悪、
何もかもが心中から消し飛び、逆に感じた事のない冷たさと淋しさが
どこまでも広がっていくようだった。
“アノ時” と同じように、否、ソレ以上に。
もう本当に、何処へも行けない場所に、一人放り出されたようだった。
『法 皇 の 緑ッッ!!』
羽交い締めにされたまま喪心するマージョリーの背後から、
空間を歪めるような音と共に花京院のスタンドが出現する。
即座に未来人の異能形態のような触手が撃ち出され、
ビル7階の強化ガラスを叩き割って窓枠を掴むと、
そのままマージョリーを腰抱きにして支点の場所へと牽引する。
空を切る斜角移動の最中に、再び銃声。
「ぅ……!」
音速で廻転するライフル弾がマージョリーの顔脇を掠め、
眼鏡が弾け飛び束ねた髪が解れた。
しかし次弾が射出されるよりも速く、花京院は目的の場所へと滑り込み
自分が下になってマージョリーの躰を支える。
そのまま素早く隣部屋へと移動し、
降りたブラインドの隙間から外の様子を窺 った。
「……コレで、しばらくは時間が稼げるか。
相手のスタンドの幻 像でも見えれば対策も立つのだが、
そう簡単に 『姿』 を見せるようなヘマはしないか」
狭い視界の中で周囲の違和感を探ろうとした花京院だが、
静止した空間は閉塞したままただそこに在り続ける。
「マルコシアス、紅世の徒に、
人間の 「武器」 を好んで使うような者はいますか?
心当たりがあるなら教えて欲しいのですが」
「……!」
傍で聞けば悲鳴と勘違いするような、
そんな呼気がマージョリーの口唇から漏れた。
“自分ではなく” マルコシアスに訊くというそれだけの行為が、
今の彼女にとっては拒絶の一端に感じられた。
「さぁ〜てなぁ〜。オレも現世にゃあ永ェが、
ンなヤツァ見たコトねーな。
確かに自在法や宝具で武器造るヤツァいるが、
『人間の武器そのもの』 を使うヤツァいねーよ。
徒相手にゃあ脆過ぎるし、炎弾使った方が手っ取り早ぇしよ」
「フム、ではやはり敵は 『スタンド使い』 か……
“銃のスタンド” と言えば “アイツ” しかいないが、しかし……」
「アン? なんだ、オメーは心当たりがあんのか?」
細い顎に手を当てて思考する花京院にマルコシアスが訊く。
「いえ、 “似て非なる者” を知っているだけです。
第一 「射程距離」 が違いますし、
アイツが “一人で” 敵に立ち向かうワケはありません。
ソレ以前に “女性は撃てない” んですよ、その男」
まだDIOの支配下に在った頃、
軽薄そのものの顔付
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