二十八話:正直な気持ち
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何をしてしまったのかわからないが、話せないというのは中々にダメージが大きい。
そんな、ぐだ男の様子に放っておくわけにもいかなくなり、エドモンは助け舟を出す。
「そんなに悩むぐらいならば、直接聞け」
『……怒られないかな? ほら、女の子ってどうして気づいてくれないのって言うじゃん』
「知ったことではない。言葉にしなければ伝わらんこともある。なにより、ここで弱音を吐くより何倍もマシだろう」
女性特有のわかってほしいという願いだと勘違いし、渋るぐだ男。
しかし、エドモンの言うように、ここで止まっていても何も解決しない。
しばらく、唸るような声を出してから行動を決定する。
『わかった。放課後にでも直接聞いてみる』
「お前の思うように行動すればいい。何があろうと俺はお前の味方だ」
最後にキザなセリフを残して、立ち去っていく後ろ姿を見ながらぐだ男も立ち上がるのだった。
放課後になり、ワイワイと賑やかになる教室。
そんな空気とは無縁とばかりに、ジャンヌ・オルタはさっさと教室から出ていこうとする。
やはり、以前とどこか違うなと思いながら、ぐだ男は彼女を呼び止める。
『ジャンヌ・オルタ、少し話したいことがあるんだけど』
「……急いでるから、やめてくれる?」
『少しだけでいいから。聞いてくれないかな?』
「……やめてって言ってるでしょ」
振り返ることもなく、速足で歩き去る彼女に置いていかれまいと、ぐだ男も足を速める。
『なにか、俺が怒らせることをしたのなら言ってほしい』
「別になにもないわよ」
『でも、明らかに俺のこと避けてるよね?』
「……気のせいじゃない?」
すぐ傍にいるというのに、とてつもなく遠くにいるように感じる距離感。
まるで、目の前から彼女が消えてしまうような感覚に、彼は思わず彼女を手を掴んでしまう。
『ジャンヌ!』
「―――うるさいわねッ!!」
しかし、その手は他ならぬジャンヌ・オルタによって振り解かれてしまう。
驚き、目を見開く彼に、初めて振り返り彼女はその顔を見せる。
「迷惑だって、言ってるのがわからないの!?」
『ジャンヌ・オルタ…?』
「別に私じゃなくても、姉さんの方にでもいけばいいじゃない。顔は同じだし」
『何を言ってるの…?』
今までに見せたことのない顔で、自身を拒絶してくる彼女にぐだ男の心は傷つく。
それでも、目を逸らすことだけはできずに彼女を見つめ続ける。
「分からないの? そう、あなたの頭じゃ理解できないのね。じゃあ、ハッキリ言ってあげるわ」
そんな彼に対して、彼女は自分がどんな表情をしているかもわからずに口走る。
もう、引き返すことができなくなる言葉を
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