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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
闇-ダークネス-part2/血塗られた記憶
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と…」
「何言ってるの!今は生き延びる方が大切よ!武器さえ持っていない私たちがこのまま戦場にいるのはまずいわ。ここは…」
逃げた方がいい。シュウの意見に反発したその時、二人の近くを誰かが通り過ぎた。
「あの子は、確か……セラちゃん!?」
現れたのは、姫矢とともに暮らしている村の少女、セラだった。
「どうしてあの子が…まさか無事だったのか!?」
実は、セラだけは無事、普通の人間として生き延びていたのだ。たまたま彼女の暮らしていた小屋が、村からも離れていた田畑の付近に位置していたことが幸いしていたのだ。
「セラちゃん、待って!」
愛梨に引き留められ、セラはシュウと愛梨の方を見る。するとセラはひどくあわてた様子で尋ねてきた。
「あの、ジュンを見なかった!?ジュン、銃声と爆発した音を聞いた途端に、そっちの方に行っちゃって…」
「なんだって!?」
ジュン、と聞いて、間違いなくそれが姫矢准のことを指していることに気付いた。
「いくら戦場カメラマンだからって…それにここはビーストが潜んでいるはずじゃ…!」
すると、ドゴオオン!!と、すさまじい爆発音が鳴り響いた。
「ッ!ジュン!」
セラはその爆発を聞き、直ちに音の聞こえた方角へ走り出した。
「セラ!」「セラちゃん!!」
このまま放っておくことはできない。せめて彼女だけでも、と二人もセラを追い始めた。
二人は気が付けば戦場の真ん中を走っていた。銃声や爆発音が、そして何より人々が襲われ、死んでいく声が聞こえていた。
だが、シュウの想像したくもなかった事態が…現実となっていた。
「ひはははははは!!」
「ッ!!」
乱射魔のごとく享楽的な声を上げる男が一人。そいつは村にいた男性の一人だった。しかもその手に持っているのは、シュウが今回テストケースともして持ち込んでいたビースト殲滅用銃器、ディバイドマシンガンだった。その狙撃先は、人間だった。
おそらく付近で暮らしている人々なのだろう。彼らはその乱射魔のごとく、シュウの銃を使って次々と人を虐殺していった。
その男性は、すでにビーストに操られてしまっていたのだ。
「ぎゃあああああああああああああ!!!」
応戦しようと、相手側も手榴弾やピストルを使って、村人を打ち殺していく。だがその流れによって、他の人間も、ビーストの駒となった村人も、次々と死に絶えていく。
「あ、ああ…」
シュウは目の前の現実が、夢であってくれと願わずにはいられなかった。
自分が、人を守るために作ったはずの武器が…


守るべき人間の命を奪っている。


「しっかりして!セラちゃんを探さないと!」
愛梨から頬を軽く叩かれ、シュウは我に返る。そうだ、今は唯一の村の生き残りであるセラと、彼女が捜しているであろう姫矢の方が心配だ。できればディバイドマシンガ
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