闇-ダークネス-part2/血塗られた記憶
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かあったに違いない。そう思って彼らは村に戻って行った。
村はさらに変わり果てた姿になってしまっていた。傷ついた村人たちが横たわり、血を流し、果ては死んでしまっている人がいる。
しかし、驚くべき光景はそれらさえも霞ませた。
「う…!!」
シュウたちは思わず青ざめ、中には吐き気を催した者さえいた。
目の前にて、こちらに背を向けて、死体となった人に覆いかぶさっている男がいた。村を案内してくれたあの人だ。
その人が……
「人間が…人間を…」
食ってる!?
しかも、村を案内してくれたはずのあの男が、文字通り人間を食っていたのだ。
話には聞かされていたが、まさかこの目で確かめることになるとは思いもしなかった。せめて映画の世界まででとどめておきたかった、あまりにえぐ過ぎる光景に全員が引いた。
「うぅぅ…」
その男はシュウたちを睨み付け、血肉と血まみれの口をむき出しにした。
「うああああああ!!」
彼は、今度はシュウたちを新たな標的と見定め、襲いかかってきた。恐れと油断から、シュウは反応を遅らせてしまい、彼に捕まってしまう。
「シュウ!」「博士!!」
声を上げる愛梨たち。
その声尾をよそに、怪物と化した男は、血にまみれた口をぐわっと開き、シュウに噛みついた。
「あ…がぁ…ッ!!!」
今にも食いちぎる勢いだった。肩を思い切り噛み砕く勢い、激痛がシュウを襲う。このままでは肩を持って行かれてしまう。
と、その時、バシュン!と銃声が鳴り、シュウにかみついてきた男が崩れ落ちた。
「はぁ…はぁッ!…」
撃ったのは、愛梨だった。
「博士、大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ…」
他のメンバーたちがすぐにシュウを遺体の下から引きずり出す。
「愛梨…」
「あ、あたし…」
彼女は、倒れた男と、自ら発砲したディバイドシューターの煙を吹いた銃口を見て、膝をついた。
人を撃った…人を殺した…それが彼女に恐怖を抱かせた。証拠に彼女の体は震えていた。
「愛梨、すまない…俺のせいでお前に無理をさせてしまった」
シュウはすぐに彼女のもとの歩み寄ろうとした。
しかし、それを阻むかのように、シュウは突然背後から殴りつけられた。
「ぐあぁ…!!」
「シュウ…!!」
声が、遠くなっていた。薄れゆく意識の中、崩れ落ちていくシュウが見たのは、自分に手を伸ばす愛梨と、
周囲に集まってきた、ナイフや石、農作業に使う鍬などを持って集まってきた、不敵かつあくどい笑みをあからさまに見せていた村人たちの顔だった。
「う…」
シュウは目を覚ました。何とか体を起こすも、頭がガンガンする。頭を起こして周囲を見渡すと、仲間たちが倒れていた。中には、血を流して倒れ…!
今、シュウは自分が誰かの下敷きになっていたことに気付く。
「スタン!」
す
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