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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
闇-ダークネス-part2/血塗られた記憶
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村と交戦状態にある町の間にビースト振動波がキャッチされたんだ」
シュウはそういってパルスブレイガーを取り出す。その小さな画面の中には、中心部に自分たちの現在地を示す青い点、そしてここから北西の方角に町、その間に位置するとあるポイントに、ビーストの位置を知らせる赤い点が表示されていた。
「博士、こいつがこの紛争の元凶なのか?」
「それはわからないけど明日、起きたらすぐに調査に向かおう。新兵器のデータも取れるし、もしかしたら少しは、この地域の紛争も緩和できるかもしれない。
その結果が本当によくなるかどうかなんてわからないけど、やるしかないと思う。ついてきてくれるかな?」
彼が尋ねると、全員が頷いてくれた。
「私も行きますよ。ビーストに食われた人々の無念に応えなければ…」
「私もシュウについていくわ」
「ありがとう…」
仲間たちの強い信頼、自分がこんなにも恵まれていることに強い幸福感を覚えた。危険な紛争地域での、対ビースト兵器実践テスト。不安ばかりが募っていたが、いけると思っていた。


しかし、悲劇は起きた。


実は、この時からすでにシュウたちもビーストに狙われていたのだ。
『紛争をより激化させ、その恐怖を食らう』ためのダシとして。
その証拠に…


三つ首の地獄の番犬が、すでにその村の近くに、血に飢えた目つきで村の…シュウたちが寝泊まりしている小屋を見下ろしていた。


もしかしたら奴は、自分を滅ぼそうとする存在を、本能で感じ取っていたのかもしれない。
奴は…『フィンディッシュタイプビースト・ガルべロス』はその目を光らせていた。


目から放たれたその光は、村に向けて降り注がれた。


そして、シュウの人生の暗黒時代が、始まった…。


村に来てからほとんど日が経過しなかったある日の夜…。
シュウたちはさっそく近隣から発せられたビースト振動波をたどって、この付近のビーストを探し回ってみたが、見つけられなかった。
「今日も見つからなかったな、ビースト」
同行スタッフの一人がため息を漏らした。
「これじゃ、帰った時に本部の連中からぼやかれますね」
「私は、それもそれでいいと思うけどね。だってビーストが出ないってことは、それによる犠牲者もいないってことじゃない。それなら、ぼやかれたりするくらい、なんてことないわ」
自分たちが退屈な方が、地球が平和である。それは確かだし、それなら自分たちにとっても喜ばしくはある。
「そうだがな…」
でも仕事がなくなるとそれはそれで困るもの、若年ながら職を失った後のことを考えると恐れを抱かずにはいられないものだ。

「きゃああああ!!」

突如聞こえた悲鳴に、シュウたちはその方角に向けて反射的に振り向いた。村から火の手と煙が立ち上っていた。

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