闇-ダークネス-part2/血塗られた記憶
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そこは、遊園地だった。
「どうして、ここになったんだ?」
シュウは若干、乗り気じゃなさそうな様子だった。
「いいじゃない。シュウって結構コミュ症だし、ここに来る子供たちのお世話をしていたら、元気も出ると思ったの」
「だからって…」
愛梨はシュウが子供に対して苦手意識を持っていることを知っていたようだ。まったく詫びれもしないで愛梨はくすくす笑っている。どこから
「え、なになに?新しい人?」
すると、遊園地のゲートのほうから二人の下に、同年代に見受けられる少年がやってきた。
「すまない。ここで働きたいんだが…」
「俺、千樹憐っていうんだ。あんたらは?」
その少年は、実はシュウたちと同じプロメテの子でもある、憐だった。
「黒崎修平。この子は花澤愛梨だ」
「花澤愛梨です。よろしくお願いします」
「うし、じゃあこっちに来て!早速面接に入るから」
二人は早速、バイトの面接を受けた。経歴については、TLTに関する情報を漏らすわけに行かないので、騙すようで申し訳なかったが偽の経歴を書いていた。
が、面接は特に重いことを問われるわけでもなく、すんなり合格をもらい、二人は遊園地でアルバイトを始めた。
「ママ〜!!」
「ほ、ほらほら、泣き止んで…ね?」
「…早く泣き止んでくれ…」
「うええええん!!」
迷子センターにて、愛梨は子供たちの相手をよくしてくれていた。が、なかなかうまくはかどらない。シュウにいたっては、まるで話にならなかった。年下の子供の相手などしたことが無かったのでうまく優しい言葉をかけることができなかった。
しかし、ここで二人に救世主が舞い降りる。
「はいはいはい!!みんな注目!今からペンシルバルーンで動物さんを作りたいと思いまーす!」
両手を叩きながら、迷子の子供たちの注目を集めた。巧みのごとく器用な手先で、彼はあっという間にキリンや像、ライオンを風船で作ってしまう。彼の腕前を見ているうちに、子供たちも泣き止み、それどころか笑顔を見せた。
「いいなぁ、憐君子供の扱いがうまくて。私どれだけやってもうまくいかないや」
憐の子供の扱いのうまさに関心を寄せる一方で、愛梨は自分がどれだけやっても子供たちをなかなかなだめられないことにもどかしさを覚える。
「愛梨だってすぐにできるようになるって。ずっとシュウを支えてきてくれたんだろ?」
「この流れでその言い方だと、なんかシュウが子供みたい」
本人が聞いていたらふてくされているんじゃないかと思うと、愛梨はおかしくてくすっと笑ってしまう。
「でも、シュウはどう?」
ならシュウの方は同だろうと尋ねてみる。
「…ちょっと苦戦するだろうな」
シュウは、紛争地域からここに来てから、笑顔を作るのが苦手になっていた。おかげで、はじめて見る人達にとってシュウは怖いイメージを持たれ
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