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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
闇-ダークネス-part1/始まりの記憶
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ると、シュウは年下ながらもはるかに優れた勉学家に思えた。まして、アメリカの大学課程を済ませるだなんて、普通の日本人からして縁が殆どないことだ。だが、シュウの顔には以前変わらず曇りが立ち込めている。
「でも、ある日…俺の世界の新宿に、スペースビーストが現れた。6年前だ」
それからシュウは、自らの過去を明かし始めた。
彼の世界、ネクサスワールド…。その世界での西暦2004年。新宿の中心にて、スペースビーストの最初の侵攻といえる災害が起きた。ある事情で人々の記憶から消され『隕石の衝突』として世間に改変された形で公表された。そのときに彼の世界で、ウルトラマンとビーストの最初の戦いが起こった。
「俺も技術者としてそのビースト…『ザ・ワン』の抹殺のための武器を作るために借り出された。
こいつを殺さないと、夢を見てなんていられない。確信した俺は積極的に奴を殺すための武器を作ることにした。だが…」
「…しくじっちまったってのか?」
「…ああ。俺は奴を殺せる武器を作れなかった。奴の進化速度は、俺たちのはるか上を行っていた」



北米本部の客室にて、二人はある女性と対面した。
特務機関「BCST」科学担当班の女性、水原沙羅という女性だった。
「はじめまして、アカデミーより派遣された、黒崎修平です」
「同じく、助手の花澤愛梨と申します」
「BCST科学担当班、水原沙羅です。よろしく」
沙羅は相手がまだ子供だからという理由で尊大な態度をとることは無く、対等に接してきた。
「早速だけどあなたに依頼したいことがあるの。まずは…」
沙羅からの話を聞き、この時のシュウはまるで、パニック映画の一幕のような経験をするとは思いもしなかった。
彼女からの依頼は…

「ある怪物を殺すための武器を作れ」というものだった。

海上自衛隊の有働貴文という男の話を聞く。彼はコードネーム『ザ・ワン』と名づけられた怪物に体を乗っ取られてしまったのだという。既にザ・ワンは本来の姿と力を取り戻そうとしている。その前に、奴を殺すための武器を作るようにと依頼された。
そして彼女が…ザ・ワンに全てを乗っ取られた有働貴文の婚約者だったことも聞いた。
怪物に乗っとられた、婚約者を殺すため。いつか将来を誓い合ったはずの二人が、こんな残酷な形で引き裂かれてしまったことに、シュウはザ・ワンに対して怒りを覚えた。

彼とビーストの戦いは、ナイトレイダーに選ばれる以前、既にこの時から始まっていたのだ。

沙羅から見せられた、変貌していく有働の記録映像。そして遂に有働の体を支配したザ・ワンに殺害された映像内の自衛隊男性の遺体から、既にザ・ワンの体液を採取していた彼は、沙羅たちや愛梨たち生物学専門のプロメテの子達との協力を得て、強力な毒性を持つ弾丸を開発、それを沙羅に託した。

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