闇-ダークネス-part1/始まりの記憶
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。
僕は、漫画でしかできないようなものを作って、そんな場所の人達も含めて、多くの人を幸せにしてあげたいんだ」
「すごい夢じゃない」
彼女…『花澤愛梨』は、気が付いたら幼いころからずっとシュウとともにアカデミーでの生活を共にしてきた、いわゆる幼馴染の関係だった。一緒にいることが当たり前で、血の繋がった家族のような間柄でもあった。
講義でわからないことがあれば、真っ先に二人は互いの元へ来てはともに勉学に励む。時に遊ぶことがあれば、一緒に遊ぶことなど当たり前だった。
「そういう愛梨はどうなんだよ?確か、生態学を志望してたんだろ」
「私?それは…」
妙に彼女はふふ、と変な笑い声をもらしながら微笑みだした。どこか奇怪に思いつつも、シュウは何を考えているのかを尋ねてみる。
「どうしたのさ?」
「ナイショ」
人差し指で自分の唇を閉じながら、いたずらっぽく彼女ははぐらかした。
「なんだよ、人のこと聞いておきながら…」
「シュウがもうちょっとだけ鋭かったら話してあげる」
「なんだよそれ…」
シュウは困ったように笑う。でも悪い気はしなかった。ケンカしたことは確かにあったと思うが、こうして彼女と過ごす日々が当たり前だとは思っていたし、決して悪い気はしなかった。
自分たちがこうして当たり前に感じている幸せを、誰かに分けてあげられたら、とも思っていた。
「クロサキ、ハナザワ」
すると、二人のいる教室にスーツ姿のある白人男性が入ってきた。こっちへ来るように手招きし、シュウと愛梨は、白人の男性の元に向かう。
「ここで聞かれてはまずい。着いてきてほしい」
このとき、実は全て英語で話していた白人男性だが、このアカデミーはアメリカのダラスにあったこともあり、二人は男性の話していた英語を全て理解した。
白人男性は二人を連れて応接室に向かい、そこの椅子に向かい合う子達で座らせ、要件を告げた。
「TLT北米本部から君に召集命令が下された。すぐに準備にかかってほしい」
男性から言われた言葉にシュウは目を見開いた。この男性はTLTの職員の一人だった。
「北米本部にですか!?でも、どうしてですか?」
「これは特務事項だ。内容については、北米本部にて明かす」
「…!」
特務事項ゆえに、ここでも話せない内容、そして不満不平も、文句も言わせない。そんな話が自分に降りかかってきたことにシュウは衝撃を受けた。
何か重大な話に違いない。覚悟を決めた二人は後日、北米本部に招かれることになった。
「俺は子供の頃から機械工学の勉学に励んでいた。
アメリカの大学課程も済ませたし、いつか、自分の培った技術で地球を変えるほどのことを成してみたいって思っていた」
「それ、すげぇじゃん」
自分はあまり勉学が得意な方じゃないことを自覚しているアスカからす
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