闇-ダークネス-part1/始まりの記憶
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地だ」
『あの男』やシェフィールドが何をしてくるのかわかったものじゃない。…いや、間違いなく自分たちの動きを見ていることが考えられる。
とにかく、急いで逃げることに越したことはなかった。
「…何か妙じゃないか?」
アスカがシュウに言う。シュウも言われてみて、やはりかと思った。
さっきまでの逃亡ルートを思い返すと、この施設はハルケギニアの文明レベルを凌駕している設備が整っている。それに伴い、セキュリティシステムも及びもつかないはずのものが各所に設置されている。それなのに…
(なぜ、このあたりに来てから、システムが作動していない…!?)
二人が通っていたルートすべてに、いくつか侵入者避けのトラップや特殊なロックを施された扉が点在していた。だが、この辺りに来てから、そのいずれもが作動していなかったため、ここまですんなり通ることができた。考えられるのは…
『自分たちは、誘われている』
既に連中はアスカの侵入とシュウの脱走に気づいているに違いない。
だが、わからない。こっちは仮にもウルトラマンが二人だ。それだけでも連中から見れば驚異。逃がさない方が後の憂いを残さずに済むのではないのか?それだけ、あのメンヌヴィルや保有している怪獣たちの力に自信があるというのだろうか。
疑問に思うものの、この場における二人の最優先すべき行動は脱出することだけ。出口までは自分たちの正確な位置が奴らに悟られないようにしなければならない。
だが、ずっと逃げてきたこともあって二人は大分体力を消費していた。
「シュウ、近くに隠れられるとこ探そうぜ。そこで一旦休憩だ」
シュウもアスカも、一刻も早くここから脱出したかったが、体力やアスカの怪我、敵がどこから探っているかのことも考えるとそれ以外に選択肢はなかった。
ちょうどいいことに、隠れるに手頃な部屋を近くで発見、二人はその部屋に入った。
そこは、さっきシュウたちが最初に、闘技施設の惨状の調査に向かった部隊の兵が言っていた医務室だった。救護セットらしきものや怪我人用のベッドも用意されており、傷の手当てにちょうどよかった。
シュウは早速アスカの傷を手当てし、包帯を巻く。
「アスカ」
「を?どした?」
包帯を巻きながら、シュウはアスカに尋ねる。
「あんたは、どうして俺にウルトラマンをやっているとか言ったな。だったら、あんたはなんでウルトラマンをやっている?」
「自分は明かさないのに、人のことを聞きたがるのかよ…」
シュウに対して少し勝手さを覚えたアスカだが、答え始めた。
「仲間との約束があるからだ。仲間と一緒に戦って、苦しんで、笑いあって、悲しんで…そうやって絆を紡いできた。その絆が、心の光が俺を強くしてくれた。どんな強敵にもな」
「光……」
「…シュウ。別に俺に自分のこと明かすことはねぇ。け
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