闇-ダークネス-part1/始まりの記憶
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!二人は直ちに兵たちを振り切って走り出した。
だが、しばらく走り抜けると、兵の数がさらに増えていたのが確認された。二人は壁の影から、「見つかったか!?」「いや、まだだ!」などの声を繰り返すアルビオン兵たちの動動きを覗き見る。
「出口までまだ距距離があるってのに…回り道するしかねえな」
「やむを得んか…」
アスカの提案にシュウも乗った。
二人は兵との接触率か低そうなルートを探りながら逃避行を続けた。
しばらくして、二人は見逃せない場所へたどり着く。
アスカもここまでたどり着くまで通った、怪獣格納庫だった。
「ビーストが、こんなに大量に…?」
ナイトレイダーとして、いや、ネクサスワールドの人間であるが故に、思わず怪獣をビーストとひとくくりにして言いながら、シュウは鉄の釣り床の下にいくつも安置されている怪獣を収納しているシリンダーを見下ろす。
こんなに大量のものを…もしこんなのが外の世界にばら撒かれたりしたら…。
「これは…」
もう一つ、妙に怪しい物体がシリンダーの中に閉じ込められているのを見つける。
これは、繭か?
それも大きな繭だ。中から生物の鼓動を感じる。
ただの繭とは思えなかった。以前にも感じたことがあるが、何かが違う。なんと表現すべきか、自分が覚えがあるものに比べ妙に大きくなっているような…嫌な感じがしてならなかった。
「アスカ、これは…」
「く…!」
アスカに尋ねようとしたその途端、アスカは突然床の上に倒れてしまった。
「アスカ!?」
シュウはすぐに彼の元に駆け寄った。酷い状態だった。いつ負ったかわからないが、彼の体の傷が広がっていて、奪い取った鎧や、元から来ていたスーパーGUTS隊員服の下から少し血がにじみ始めている。
「へへ、自分でも不死身だって思ってるし、さっきまでそれなりに持ってたけどよ…やっぱキツイぜ」
額の脂汗を滴らせ、乾いた笑みを浮かべるアスカだが、容態が悪化していることに変わりない。
「くそ…」
シュウは歯噛みする。おそらくここまで来る間にボロボロになるまで無理をしてでも自分を助けに来てくれたのだ。それはありがたい…が…
(また、俺のせいで…!)
それ以上に、自分の存在が原因でアスカに迷惑をかけてしまっていたという事実の方が、シュウに重くのしかかった。
「なんて顔してんだよ…確かに、お前の責任かも知れないけどよ、だからってそこまで思いつめたら余計に悪いことが起こるぞ」
アスカはそんなシュウの顔を見て、さっきと変わらぬ笑みを見せる。
「お前はさ、責任を感じすぎてる上に、一人で背負い込みすぎなんだよ。お前のそばには、いるだろ。お前の安らぎをくれる人が」
その『安らぎをくれる人』という指摘に、それがいったい誰なのかすぐに思いつく。屋敷の中、森の中…外の世界を知らずに生
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