暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part8/断ち切れない家族
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うな真似などできようか。もし君も、フレデリック君に化けたあの亜人のように、あの子を狙っているのなら、あの亜人より以前に行動を始めていたはずだ」
それは確かに…と思わされた。
「それとも君には、わしらが恩を仇で返すような不義の輩に見えたのかね?」
「そ、そんなことないです!」
どこか睨みを利かせた視線を向けられた気がして、サイトは慌てて首を横に振った。でもどこか安心した。この人たちはサイトの正体を黙認するつもりのようだ。
「で、でも…ありがとうございます!俺の事、黙っていてくれて…」
「本来なら、あなたには惜しみなく褒美を渡さなければならないのですが、あなたの正体を明かさない以上、それも…」
「いえ、いいんですよ奥さん。みんなが無事だった。褒美を頂くより、その事実の方が俺には嬉しいんです」
それはサイトの正直な気持ちだった。生きてさえいれば、未来はどうにかできる可能性があるのだ。かつて、自分の地球を守ってくれたウルトラマンたちがそれを身を持って教えてくれたし、こうして自分もまたウルトラマンになったことで、その喜びが大いに理解できるようになっていた。
「…その言葉を、ここ最近の貴族共に聞かせてやりたいものだ」
サイトの言葉がまるで聖人君子に聞こえるほどだったのか、公爵はため息交じりに呟いた。
そして、サイトに視線を戻して話を続けた。
「ではもう一つ、君に言いたいことがある」
「な、なんでしょう」
公爵はより鋭い視線でサイトを見てきた。
……なぜだろう。さっきと比べて明らかに殺気を放っていた。それを見ているカリーヌはというと、はぁ…とため息を漏らして額に手を添えている。
(いや、なんですか奥さん!?何か言いたいことがあるなら言ってくださいよ!)
心の中でそう叫びながら、さらに緊張感が増していくサイト。
「君は…ルイズと一つ屋根の下…もとい、同じ部屋で生活しているのか?」
「え…?」
「まさか、ルイズに手を出したりはしていないだろうね?」
「はい!!?」
いきなりとんでもないことを聞かれ、サイトは仰天する。
「正直に答えたまえ?出していないだろうね?」
「してない!!してないです!!」
これもまた正直な気持ちだ。サイトはこの世界に来てから、美人と出会ったり好意を寄せられたりで、つい鼻の下を伸ばしてしまうことがあったが、一度も手を出してはいない。
しかし、所詮は口頭のみの証言。信じてもらうにしても証拠がない。
この親馬鹿な公爵のことだ。絶対にルイズに手を出したら…
「娘に軽々しく手を出したら、たとえ君でも容赦せんぞ…?」
やはり思った通りのコメントでした…。
「は、はい!もちろんです!」
ルイズには極力手を出そうとは思わないでおこう…殺される。
その肝心のルイズが、サイトを意識しつつあるという意志と裏腹に
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