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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part8/断ち切れない家族
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ならいいんだ。ゴモラ…だったね。その子たちを大切にね」
ムサシが心配していたのは、ジュリオが怪獣を道具として酷使していることだった。だが杞憂だったらしい。少なくともサイトたちもジュリオとあって間もないとはいえ、彼が怪獣をそのように扱った姿を見たことがないので、とりあえず信じた。
「あの、姫様。ルイズはどうしてます?」
こいつと話すとなぜか精神がすり減らされる気分だ。サイトはルイズのことをアンリエッタに尋ねた。
「今、ご家族と話している最中ですわ。私もご家族に、ルイズが私に召し抱えられている理由を話さなければなりません。サイトさん、あなたもルイズの傍にいてあげてください。その方が彼女も安心できるでしょう」
「…わかりました。じゃあ春野さん、戻るまでハルナをお願いします」
「うん、行っておいで」
「おや、サイト君。僕には任せられないのかい?」
ハルナのことを、一時ムサシに預けようとしたところで、ジュリオが妙な茶々を入れてくる。
「…お前だと下手に口説いてきそうだからだよ。ピグモン、こいつ見張っててくれよ」
「ピィ」
「つれないね」
ピグモンにも一応、ジュリオがハルナを口説いてこないよう見張るように言い、ジュリオが残念がっている台詞を呟くが、肩をすくめて薄い笑みを浮かべている辺り、全然精神ダメージが伺えない。
「じゃあ、またね…平賀君」
ムサシに一時ハルナのことを託し、サイトはアンリエッタに連れられ、ルイズたちヴァリエール一家のいる会食の席へと向かった。


あの事件が終わった後、ルイズも目を覚ました。
屋敷の一部はカトレアの部屋を中心に荒れてしまっていたが、全壊したわけではない。会食の間に来るよう呼び出しを受け、ルイズは正面に座っている自分の家族に謝罪した。
不安もよぎっていた。ルイズが一度家から飛び出したい、家を捨てたいと願ったのは、家族から認められない悔しさから来た一時の気の迷い、どんな人間でも一度そうなってもおかしくないことだ。だが、ヴァリエール一家…その中でも母は鋼鉄のような規律を何よりも尊ぶきらいがあるという。そしてルイズが家族の中で最も恐れている人。セミ人間とレッドキングとの戦いでは自分を守ってくれたとはいえ…。
「…ごめんなさい、私…」
自分は…馬鹿だった。本当に『ゼロ』だったのかもしれない。メイジとか公爵家の娘とか以前に…『人』として『ゼロ』のままだった。召喚した当時のサイトへの横暴な扱いやこれまでの冒険を通してそのことに気づいていたとばかり思っていたが…違った。まるで、熟すまでにまだまだ時間のかかる青い果実のように、自分はまだ未熟だった。
「…ルイズ」
公爵が口を開いた。お咎めの言葉が来るのだろう、そう思っていたが、次に公爵の口から出てきたのはそのような言葉ではなかった。
「お前だけのせいにはでき
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