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第三十八話
第三十八話 決戦へ
クラウンと雅美はそれぞれ同じコンサートに応募した。彼女達はそこを決戦の場に選んだのであった。
「これでいいわね」
「ええ」
華奈子と美奈子は互いに言い合う。
「万事ね」
「そうね」
届出は二人がした。だがその途中で彼女と出会ったのであった。
「貴女達ね」
雅美であった。彼女は今届け出に来たのである。
「クラウンの二人は」
「そうよ」
華奈子がそれに応えた。そして言った。
「貴女ね」
ずい、と雅美を見据えてきた。
「雅美さんっていうのは」
「ええ、そうよ」
雅美もそれに返してきた。
「だったらどうなの?」
「次で決めるわ」
華奈子はそう言い返してきた。
「それでいいわね」
「望むところよ」
雅美もそれに返してきた。
「私だってそのつもりよ」
「そう、それならいいわ」
華奈子はそれを受けて挑発的な笑みを見せてきた。
「相手にとって不足無しよ」
「こちらこそね」
そう言って今度は美奈子を見てきた。
「貴女もそうなんでしょ?ええと」
「美奈子よ」
美奈子はクールな様子でそう述べてきた。
「双子よ」
「それは聞いているわ。それで貴女もなのね」
「ええ」
美奈子も返事を返してきた。だが彼女はクールなままであった。
「そうよ」
「わかったわ。じゃあ」
「負けないわよ」
華奈子がキッと見据えてきた。
「それだけは覚えておいて」
「いえ、忘れるわ」
「どういうことかしら」
「だってね」
雅美はここで余裕に満ちた笑みを浮かべてきた。そのうえでの言葉だった。
「勝つのは私だからね」
「さて、それはどうかしら」
それに美奈子が言ってきた。
「こっちだって自信があるわよ」
「そうなの」
「そうよ」
三人は睨み合う。これが決戦のはじまりであった。
第三十八話 完
2006・12・18
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