第16話 集う因縁
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ンジャーの主観に口を挿まない。その代わりでは無いが杞憂を口にした。
「じゃあ、マスターピースの構成員の人たちが私たちの邪魔を?ただの人ではアステリオスに適うとは思いませんが・・・・・・」
「これは当然世間では知られていないが、奴らはお抱えの魔術師が幾らかいる。そしてサーヴァントも戦力として使っている」
「そ、そんな・・・・・・・・・あっ、そう言えば昨日の昼にライダーさんが援軍を送るって言ってたのはそれを配慮してだったんですね?」
「その筈だ」
その言葉とは裏腹にアヴェンジャーはまるで信じていなかった。
アヴェンジャーにとってライダーは何所までも胡散臭い存在だったからだ。
−Interlude−
アヴェンジャーに鼠と称されたのは確かにマスターピースの使いに他ならないが、それ以上に危険な鼠はこの町の郊外に居た。
そこは和をメインとしている豪邸で、その家の主は最上幽斎と言う元企業家であり、現在は九鬼の営業部の幹部の1人である。
そして当の本人は書斎にて、ある存在――――自分のサーヴァントと向かい合っていた。
「さて、昨夕は何故手を出さなかったんだい?」
「何故?そんな事は当然目標を仕留める為に最善の策を取ったまでだ」
応じるサーヴァントは、黒と灰色の鎧に何故かボロボロの赤い外套を頭から被り、口元も包帯らしきものを巻いて見えず目元もまるで見えない暗殺者である。
「まさか同情したのではあるまいね?」
「同情?」
「確かに今回の主犯の少女の経歴は同情に値するが、だからと言って――――」
「下らない。僕はアンタに召喚されるまで、生前も死後の“守護者”としても汚れ仕事をしてきたんだ。そして今回の件もその一つに過ぎない。アンタが僕をどの様に考えようと自由だが、同情に値するなどと言う御花畑的思考を口にするなら暁光計画など止めておくんだね。どうせその程度のメンタルでは後悔の中で耐えられなくなる」
「あー、わかったよ。口出しした私が悪かった。――――だが私にも事情があるのでね、君が慎重になり過ぎて時間を掛けすぎる方針で行くなら令呪を使うしかなくなるよ?」
令呪を見せつけようとする幽斎に如何でも良さげに背を向ける。
「言われるまでも無い。今日からでも狩り始める。遅くとも明日明後日中には片付けるさ」
「それは助かるが、これ以上の犠牲を止める気は無いと?」
「主犯の少女に狙われている者達は全員、幾人もの同世代の子供を自殺に追い込んでいる下種なのだろう?なら庇う必要など無い。精々いい囮として使うまでさ。それと、仕事が終わり次第ここには戻らずに、今まで通り世界中のシャドウサーヴァント狩りに専念させてもらう」
「その判断は君に任せるよ。では健と」
幽斎
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