第16話 集う因縁
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のであれば疑う気はありませんが、であれば一体・・・」
「大魔術には固有結界に似て非なるモノも僅かなれどある。そしてクレタ島の地下迷宮であるのなら、世界を侵食したのではなく、世界の下側にに形成したと考えるのが妥当であろうな」
全て勝手な推測ではあるがなとも付け足すスカサハ。
しかしそれが一番、真に近いのではないかと思えるもので、誰も異を唱えるものなど居なかった。
「・・・・・・他には何も言ってませんでしたか?」
一拍置いて士郎が和成に質問をする。
「そうですね・・・・・・。そう言えば家政婦が津川嬢の悲鳴を何度か聞いたと証言していたと。恐らくは襲われたのでしょうね」
「ならば既に死んでおろうな」
「・・・・・・・・・!」
スカサハの言葉に沈黙が流れそうなところで、士郎1人がすかさずある音に反応して縁側に続くドアを開けて、そのまま上から落ちてきた何かをダイビングキャッチしたまま庭に出た。
ある音とは屋根の瓦の音と、そこから転げ落ちるある質量――――人体の音だった。
そして勿論士郎がキャッチしたのは人であり、何とティーネだった。
「だ、大丈夫ですか?」
彼女自身の質量に加えて重力加速度の全ての衝撃を完全に緩和させて、全く痛み無くお姫様抱っこされるティーネ。因みに士郎は顔を覗き込むように見ているので、かなりの至近距離だ。
「は、はい。すいませんお手数おかけして」
全身鋼の様な筋肉に覆われているにも拘らず、抱っこされているティーネは全く痛いとも堅いとも思わず、寧ろ心地よさすら感じた。
まあ、士郎の顔が至近距離まで迫って来ているので、否が応でも頬が朱に染まっているが。
そして降ろされると、僅かながら残念に思えた。
「それにしても如何して上から?」
「屋根の掃除をしようとしていたのですが、歩きづらくて思わず・・・」
「転んだんですね?大丈夫ですから。気持ちだけ受け取りますから危ない事は控えて下さい」
ティーネに士郎が注意を促すと、何故かスカサハが呆れ声で言う。士郎に。
「士郎。攻略してフラグを建てていくのはお前の勝手だが、人数やタイミングに気を付けないと、専用ルートが確定する前に刺されると言うBADエンドに陥る事になるぞ?」
「何の話です?」
士郎が心底訳が分からそうな顔をすると、スカサハは最早言うだけ無駄かと諦めた。
「流石は若!」
「シロウは英雄色に好まれると言う奴だな!」
「流石は我々のマスターだ!」
けれど、何故か男3人は士郎の誑しぶりを褒める。
だが士郎としては褒められた理由も判っていない。
まあ、成り行き上の結果論ではあるが士郎にとっていい息抜き――――清涼剤と言う名の一時になったこと
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