4. トモダチと手をつないで 〜電〜
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す! じゃあ資材貯蔵庫に行くのです!」
「いいのか? 資材貯蔵庫は軍務関係の施設じゃないのか?」
「司令官さんに確認してみるのです! ダメだったらこっそり連れてってあげるのです!」
顔色が明るくなった集積地さんをその場に残し、私は間宮さんに内線を借りて司令官さんに確認を取ってみた。司令官さんの返事は……
『資材貯蔵庫ならいいんじゃない? 知らんけど』
という予想通りの至極なげやりな返事だった。もちろん『資材のちょろまかしは厳禁』と、『赤城さんは同席させない』という条件つきだけど。なぜ赤城さん?
でもよかった。これなら胸を張って集積地さんを資材貯蔵庫に案内できる。
「集積地さん!」
「ん?」
「司令官さんから許可を取ったのです! 一緒に資材貯蔵庫に行くのです!!」
「いいのか……?」
「はいなのです!」
「パァァァアアア……ほ、ホントか」
鳳翔さんにごちそうさまを言った時以上の明るい顔になった集積地さん。やっぱりどこかで遠慮というか、我慢をしていたようだ。確かに彼女はテキかもしれないけれど、今はお客さんなんだから、今だけはゆっくりとくつろいでもらいたい。
「じゃあ行くのです!」
「待て」
「?」
「まだ白玉団子が残ってる」
「あ、そういえば……」
資材貯蔵庫のことで頭がいっぱいで忘れていたが、そういえば私もクリームあんみつを食べきってなかった。集積地さんはあんこと一緒に白玉団子を頬張り、丁寧にもぐもぐと咀嚼して味わっている。口元がむにむにと動いていて見ていてなんだか楽しい。
「白玉って美味しいなー……むにむにって弾力があって、あんことの相性もいい。もぐもぐ」
「なんだか集積地さんのほっぺたみたいなのです。気持ちいいのです」
「だから朝は私のほっぺたを執拗につんつんしてたのか?」
「あれは嫌がらせ以外の何者でもないのです」
「酷い捕虜虐待だ」
「集積地さんはお客さんだから問題ないのです。おもてなしの一環なのです」
「言ってることが矛盾してるぞ」
2人で残りのクリームあんみつを平らげ、資材貯蔵庫に向かう。
「集積地さん」
「ん?」
「こっちなのです」
「んー」
もちろん、手をつないで。間宮さんを出たときには、すでに自然と手を繋いでいた。ここに来るまで手を繋いできたから、集積地さんも自然と手が出たみたいだ。
「……」
「……んふふー」
「イナズマ?」
「なんでもないのです」
集積地さんからツッコミがないのであれば、あえてこちらから手を離す必要もない。なにより集積地さんの手はあったかくて、繋いでるとポカポカしてくる。
「もうすぐ着くのです!」
「んー。……ニヘェ」
それに、こうやって手を繋いでると集積地さんと
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