4. トモダチと手をつないで 〜電〜
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いいんじゃない? ジャージにしといてよかったよ」
「誰も着慣れてるなんて言ってないっ」
「ついでだからさ電」
「?」
「ジャージに名札つけといて。電手作りのでいいから」
「名札なんて作ったことないのです……」
「あとで白い布を何枚かあげるから、それにマジックで『しゅうせきち』って書いて、ジャージに縫い付けてくれればそれでいいよ?」
そんなに簡単かつアバウトなものでいいのか……なんだか集積地さんに対して悪い気もするけれど……まぁいいか。集積地さんのダサいジャージによく似合いそうだ。
あ、そうだ。私も司令官さんに確認したいことがあった。
「司令官さん、一つ質問していいのです?」
「いいよ」
「今日は集積地さんを案内してうろうろしようと思うのです。行っちゃいけない場所とかあるのです?」
この鎮守府は曲がりなりにも軍事施設。集積地さんが立ち入ることが許されない区域があるのなら、それは事前に確認をしておきたい。
「特にはないけど、一応軍務に関わるところは避けてちょうだい。司令室やドック、電算室なんかはダメだ。あとはまぁ、都度確認てとこかな。居住区域は気にせずうろうろしていいよ」
「はいなのです!」
よかった。なら間宮さんや酒保には連れて行っても大丈夫だろう。
「以上だ。……ああそうそう。昨日言い忘れてた」
「?」
「集積地棲姫、わが鎮守府へようこそ。我々は貴君の来訪を歓迎する」
「……本気で私を来賓扱いか」
「だから昨日も捕虜じゃなくてお客さんだって言ったでしょ? いつまでいるかは知らんけど、いる間はのんびり過ごしてちょうだいよ」
「わかった」
「電。引き続き集積地の世話を頼む」
「はいなのです」
「俺からは以上だ。もう行っていいよ」
「はいなのです」
「了解した」
その後司令官さんから『間宮でも行っといで』と言われ、私と集積地さんは執務室を出た。私の右手には司令官さんがくれた、間宮さんでクリームあんみつが食べられるチケットが二枚握られている。
「じゃあ、とりあえず間宮さんのところに行って、クリームあんみつ食べるのです!」
「マミヤ?」
「甘味処なのです。甘いモノならだいたい何でも食べられるのです」
そういい、私は左手で集積地さんの右手を取ろうと動かしたところで、すでに彼女はメガネをかけていたことを思い出した。
「……」
「……」
そうだ。さっきまでは、集積地さんが前が見えず歩きづらいから、手をつないで案内してたんだ。メガネをかけて前がくっきり見えるようになった今、集積地さんにガイドは必要ない。なんてことないことだけど、なんか残念だ。……なんてことを思っていたら。
「……」
「?」
集積地さんが何も言わず、右手で私の左手を取
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