4. トモダチと手をつないで 〜電〜
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のです?」
「ああ。美味しい……」
「よかったのです!」
私も一口いただく。朝一番の鳳翔さんのお味噌汁はどうしてこんなに優しくて美味しいんだろう。さっきまではそれほどでもなかったはずの私のお腹も、鳳翔さんのお味噌汁を一口いただいただけでぺっこぺこになってくる。そのままご飯をほおばり、焼き鮭をほぐした。
「んー……美味しいのです」
「ああ……もぐもぐ……とても美味しい」
それは集積地さんも同じようで、私と同じようにご飯を頬張りながら玉子焼きを口に運んでいた。
何回がご飯とお味噌汁のおかわりをした後、お腹いっぱい食べて満足した集積地さんとお茶を飲んで一息ついていた時、館内放送が鳴り響いた。私と集積地さんは、自然と天井につけられたスピーカーに目をやった。
『あー……あー……電は朝食が終わった後で執務室に来るように』
司令官さんが私を呼んでいるようだ。今のタイミングで呼ばれるということは、恐らく集積地さんに関することのはずだ。
「昨日の男か?」
「はいなのです」
「お前があの男と会ってる間、私はさっきの部屋に戻ってればいいのか?」
「一緒に行くのです。きっと集積地さんも関係あると思うのです」
「そうか」
もう朝ごはんも終わっていることだし、面倒事はさっさと終わらせて集積地さんを案内したい私は、早々に執務室に向かうことにした。食器を片付けるとき、集積地さんはちょっと恥ずかしそうに厨房の鳳翔さんに声をかけていた。
「えー……あー……ほ、ホウショウ!」
「はい?」
鳳翔さんはお昼ごはんの準備をしていたのだろうか。とんとんと食材を切る手をとめ、私たちの方を向いてくれた。集積地さんの顔が赤い。
「あのー……」
「?」
「……ごちそうさま」
「お粗末さまでした。美味しかったですか?」
「美味しかった。またホウショウのご飯を食べたいと思った」
「ならよかったです。今日はお昼も私ですから、楽しみにしていてください」
「そ、そうか! 楽しみだ!!」
お昼も鳳翔さんのご飯が食べられることがけっこううれしいようで、集積地さんの表情はさっきまでの1.5倍ぐらいの明るさになった。確かに鳳翔さんのご飯はとても美味しい。そして鳳翔さんのご飯を気に入ってくれると、なぜか私も誇らしい。
「じゃあ集積地さん、一緒に執務室に行くのです!」
「別に私は行かなくても」
「いいから一緒に行くのです!」
私と集積地さんは一緒に執務室へと移動する。もちろん手をつないで。執務室の前に着いたらドアをノックする。なぜかドアに少しヒビが入っているが、見なかったことにしておいた。
「とんとん。司令官さん。電なのですー」
『おー電ー。集積地棲姫はどうしたー?』
「ここにいるぞー」
『
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