3.捕虜じゃないよ 〜電〜
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赤城さんに脅迫されてポケットマネーで準備してる美味しい牛乳が楽しめるのですっ! しかも瓶牛乳!!」
「風呂上がりに牛乳!? しかも瓶だとッ!?」
「あの牛乳はとっても美味しいのです……電も毎日のお風呂上がりの楽しみにしているのです……こぼれないように紙蓋をパカッって開ける時のあのドキドキ……火照った身体に染み入る牛乳の心地いい冷たさ……」
「瓶の口が自分の唇に触れた時のあのひやっとした感触……ひ、卑怯だ……瓶だなんて卑怯だッ……!!」
「さあ! 素直にお風呂に入るのと、この場で頭から高速修復剤だばーってされるの、どっちがいいか選ぶのですっ!」
「クッ……私は……一体私はどうすればいいんだ戦艦棲姫ッ……!!」
どうやら集積地さんは心の中で相当に葛藤しているようで、ギュッと歯を食いしばり体中をぴくぴくさせていた。あと一息。あともう一息で、集積地さんはきちんと入渠してくれるはずだ。ここで最後のダメ押しだ。
「ちなみにフルーツ牛乳もあるのです」
「入渠しよう」
よかった……なんとか入渠してくれる気になったようだ。フルーツ牛乳の話をした途端に入渠を決意してくれたところを見ると、フルーツ牛乳が好きなのかな?
体中傷だらけの集積地さんになんとか立ち上がってもらい、彼女を入居施設に案内した。彼女はその両手にとても大きなガントレットのような艤装を取り付けている。私はその大きな手を取り、メガネがなくて前が見えづらい彼女を入居施設まで案内した。
その後一緒に入渠して分かったことだが、彼女の艤装はやはり私たちと同じように着脱式らしく、その大きな艤装を外して入渠していた。
「あ……」
「? どうかしたか?」
「な、なんでもないのです」
ガントレットのような大きくて冷たい艤装の内側に隠れていたのは、傷だらけだけどとても綺麗な、純白の手だった。
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