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テキはトモダチ
2.死んだ魚の眼差しの提督 〜赤城〜
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からないですよね!?」

 同意されたことが嬉しくてつい大声を出してしまった。大淀さんはそんな私の語気に押されたのか、冷や汗混じりに苦笑いを浮かべている。

「う……た、度々失礼を……」
「いえいえ。上官があんな感じだと下は苦労しますもんね」
「ええ……」
「でも、あの人が私たちをとても大切にしてくれているのは本当ですよ。確かに艦隊指揮も下手だし資材管理や日々の雑務のタスク管理も苦手で、一人では鎮守府運営も出来ない人ですけどね。それだけは本当です」

 そういい、大淀さんはニッコリと笑っていた。

 はじめ私は、大淀さんが言った言葉の意味を測りかねていた。彼女は私をたしなめるためにウソを言っているのだろうか。先程は確かに私たちのことを大切に思っている節が感じられる一言を言っていたが、やはりあの提督のことはあまり信用出来ない。戦闘のことは私たちに丸投げし自分では何も決断しない彼の事を、私は上官としていまいち信用出来ずにいた。だから、大淀さんのこの言葉もいまいち信用が出来なかった。

 だが、大淀さんは決してウソをついてはいなかった。提督は私たちには無責任な顔で死んだ魚のように濁った眼差しを向けていたが……その裏では、私たちのことを守るために私達の海上戦闘とは異なる見えない戦いを常に繰り広げていた。それは後日、鎮守府に2人の招かれざる客が訪れた日に実感したことだった。


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