暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
1.標的は陸上型 〜電〜
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はじめ、甲高い音を発しながら集積地棲姫へと爆撃を行った。

「行くクマァアアアア!!!」

 球磨さんがそう叫ぶと同時に、集積地棲姫を中心に大きな爆発音が鳴り響いた。ドーンという轟音とともに集積地棲姫は炎に包まれ、その直後、彼女の身体は炎に遮られて視界から消えた。

「……ちくしょう……」
「やりましたか……?」

 炎の眩しさを自身の左手で遮りながら、赤城さんがそうつぶやいた。この爆発と炎上……恐らくもう集積地棲姫は生きてはいないだろう……私だけでなく、その場にいたみんなが全員そう思ったに違いない。

「……!?」
「やはり……ダメですか……」

 しかし相手は深海棲艦でも『鬼』と呼ばれる一人である集積地棲姫。陸上型であり、通常の装備では決定打たりえないという事実を私達にまざまざと見せつけていた。

「ふーッ……ふーッ……!!」
「くそったれがぁぁあああ!!!」

 天龍さんが悔しそうに吠えた。集積地棲姫は炎の中、自身が集めた資材を守るように、なお私たちの前に立ちはだかっていた。

「ハァー……ハァー……」
「鳳翔さん、艦攻隊はもう出せませんか?」
「残念ながら……」
「青葉ももう弾薬がありません……」
「球磨ももうないクマ……」

 鎮守府からここまでの道のりは長い。私たちは準備してきたすべての弾薬を使いきった。私たちにはもう集積地棲姫を攻撃するすべはない。それは私たちの敗北を意味する。今回もまた、私たちは彼女を仕留めきることは出来なかった。

 今回の目標である集積地棲姫を倒しきる事はかなわなかった。作戦は失敗だ。でも私はそのことに安堵していた。集積地棲姫の命を奪わずに済んだことに、ホッと胸をなでおろしていた。

「撤退するのです」
「うるせえ電! 弾薬なんかなくても俺がサーベルでぶった切ってきてやる!!」

 旗艦の私の命令を天龍さんは聞いてくれない。こんな時に冷静に相手を諭すことが出来る響や、強引にみんなを巻き込む雷の元気さが私にあれば……とも思うけど……

「やめなさい天龍さん! これ以上は無理です!」

 暴走しそうな天龍さんを、赤城さんが制していた。

「なんでだ姐さん! 今ならやれる! あいつをやれるチャンスは今しかねーぞッ!!」
「無理です! 私達は弾薬はおろか燃料も残り少ない! ここは素直に引き返しましょう! 素直に次のチャンスにかけましょう!!」
「クソがぁぁああああッ!! ……すまねえ電。悪かった……撤退すんだな」
「はい、なのです……」

 よかった。頭に血が昇っている天龍さんだったが、なんとか赤城さんの説得を聞いてくれたようだった。本当は私が天龍さんを制止しなければいけないんだけど……赤城さんにはいつも助けてもらってばかりだ。

「……
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