プロローグU
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てん…………、はぁ?」
中溝が驚愕の表情でステージを見つめていた。佐久間もまた、驚きのあまり言葉が出ずにその場所を注視する。
これまであさっての方向に向いていたホール中の視線が、この時ばかりは焦点のごとく一部へと集中していた。
何故なら、
『えー――これをもちまして、かんぶいくせいかの入学式をとじます!』
……元気溌剌とした甲高い声が、会場中に伝播した。
すたすたと胸を張り、ステージを退場していくその姿は、誰がどう見ても……。
「あれ、絶対小学生だよな……?」
「見間違いじゃなければ、多分……」
誰も何も言わず、はたまた「ドッキリ大成功」とステージ上のスクリーンに表示されるのでもない。ただ残るのは、
『これをもちまして、第十三回湯堂院学園幹部育成科の卒業式は閉幕です。生徒の皆さんはそれぞれホールから退場してください』
――淡々と読み上げられる、無機質な女声のみ。
学園内でも大きなイベントの一つであるはずの入学式は、佐久間たちを含めほとんどの者が唖然としたまま、幕が閉じられたのだった。
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