第42話 剣客、無双を振るう
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どうしたんだよ大兄貴!?」
突然の兄貴分の豹変ぶりに仁九郎も又兵衛も戸惑いを隠せないでいた。それどころか2人の弟分の声が届いていないのかライゼルはまるで古い友人を見つけたかのように叫び始めた
「そうか!そうだったのか!!“お前”がこの世界に居ると分かっていたが、まさかお前の方からメッセージを送ってくれるとはなっ!!未だにあの“妄想”を追いかけているのか!?それとも今更になって己が罪に気付いて死に場所を探しているのか!?ならば今度こそ、この私が貴様の首を斬り落としてくれるっっ!!!フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
それは“狂笑”……“憤怒”や“憎悪”、“慟哭”、“怨恨”、そして“歓喜”……
様々な感情を1つに纏め…否、あらゆる感情すべてをドロドロに混ぜ合わせて固めたようなその顔は仁九朗、又兵衛、白夜の3人を凍り付かせる程…怖ろしいモノだった。
もはや誰の声も耳に入らないのかライゼルは声を高々に笑いながらリオン達がいる戦場ではなく、先ほどまで彼が凝視していたビルの彼方まで駆け抜けて行ってしまった。
そして茫然とライゼルを行かせてしまった事にやっと気付いた仁九朗は急いで又兵衛に声をかけた
「兄者っ!〜〜くそっ!何している又兵衛!我らも急いで兄者を追うぞ!!」
「っ!お、おう!!」
「白夜殿!後はお任せいたす!!」
「こ、心得た!!」
白夜にリオン達のことを任せた仁九朗は又兵衛を引き連れてライゼルの後を追いかけ、夜の闇の中へ消えた。すでに見えなくなったにも関わらず白夜は闇を見ていた。先に消えたライゼルに語り掛けながら
「ライゼル殿……一体何があったというのだ………」
一方、戦線を離脱した守護騎士を追跡しかけたクロノ達だったが、今は目の前の敵を無視するわけにはいかず、睨み合いが始まろうとした所で新たな乱入者が姿を現したことにより、事態は更なる展開に移りだした。
「抜刀斎……じゃと?」
「いかにも…この場では名を明かせぬ“ある御仁”の命により参上した。故に、この場は助太刀させて頂く」
突然の乱入者の登場にその場にいた者ほとんどが動けずにいたが、百戦錬磨の戦士である闘兵衛だけは違った。彼は新たに現れた抜刀斎に警戒した。
「お主……舐めとるのか?抜刀斎……いや、“人斬り抜刀斎”といえば、幕末の時代にその名を轟かせた伝説の人斬り……そんな100年以上も古くカビの生えた人間の名を出せば、この場にいる連中をビビらせると思ったのか?」
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