36部分:第三十五話
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第三十五話
第三十五話 合流
出て来たのは言うまでもなかった。華奈子と美奈子であった。
「二人共、来たの」
「何か勘でね」
華奈子がにこりと笑って述べた。
「面白いことやってそうだったから」
「私は華奈子に言われて」
美奈子はついてきたという形である。
「それで来たの」
「そうだったの」
「それでさ」
華奈子はにこりと笑ったまま言う。
「面白いことしてるのね」
「ええ」
梨花がにこりと笑い返してきた。
「そうよ。どう?」
そして問い掛ける。
「一緒にさ」
「勿論」
華奈子も笑い返した。
「そのつもりで来たのよ、あたしはね」
「私も」
それは美奈子も同じであった。
「私はまあついてきたんだけれどやるっていうのなら」
「乗るのね」
「そうさせてもらうわ」
美奈子は美樹に答えた。
「それじゃあ華奈子ちゃん」
赤音が華奈子に声をかける。
「ヴォーカルのポジションに来て」
「了解」
「美奈子ちゃんも」
美奈子には春奈が声をかけてきた。
「来て」
「わかったわ。それじゃあ」
二人はそれぞれのポジションについた。美奈子が右手、華奈子が左手。いつもの最初の位置であった。
「いきましょう、本格的にね」
「ええ」
「いくわよ」
演奏がはじまった。そして後ろの四人がそれぞれの魔法を使う。
そこで華奈子も火を放った。同時に美奈子が曲を奏でる。
するとそのリズムに乗ってシャボンも舞台も風も火も動きはじめた。実にリズミカルに。
「よし」
華奈子がそれを見て会心の笑みを浮かべる。
「上手くいってるわね」
「そうね」
美奈子がそれに頷く。六人の魔法が完全に合わさった。
「いい感じにいってるわ」
美奈子がその様子を見て呟く。
「これなら誰が相手でもね」
「そうね。あの人にだって」
負けはしない。確かな自信が今彼女達に備わったのであった。
第三十五話 完
2006・12・5
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