最大の好機
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は左手についている。今の攻撃が直撃したのは背中だったため、決定打にはならなかったが大きなダメージを与えることはできたらしく、彼女は前にのめり込むように倒れた。
「スペル解除、敵能力看破、透視能力w、能力見える、五文字解除」
次の攻撃にすぐさま移れないだろうとここぞとばかりにさっきの続きを始める。動きさえ止めることができれば、勝利することは間違いなくできるはずなんだ。
「くそっ」
俺の声が聞こえたのかどうかはわからないが、慌てたように起き上がりこちらに突っ込んでくる人魚の最強剣士。俺のスペルが発動している限りは攻撃が当たることはないから大丈夫だと思うけど、なんかこの人はスペルの効果を無視して当ててきそうで怖いんだよね。
「知るスペル、見能力既知、特殊能力破、相手指定視、五文字透視、完全能力滅、敵能力透視」
ギリギリのところまで粘ってコールをしてみることにした俺。徐々に近づいてくるカグラさんに心拍数が上がってくるのを感じたが、後ほんの数メートルというところで・・・
カチッ
カグラさんの動きが停止した。
「おぉっ!?やった!!」
一体どれが正解だったのかはわからないが、とにかく彼女の5スペルを封印した上に10秒間の硬直タイムへと突入させることができた。
「今だ!!」
この勝負最大のチャンスを逃すわけにはいかない!!カグラさんが動けないうちに、弱点へ攻撃をしてこの戦いを終わらせてみせる!!
「もらったぁ!!水竜の・・・」
彼女の方から近付いてきていたので、もう目と鼻の先にまで来ている。攻撃を放つまでに10秒なんてかからない。最初の一歩から強く踏み込み、弱点バッジに最高の一撃を叩き込んでやる。
「鉄拳!!」
魔力を纏わせた拳を硬直しているカグラさんの、鞘を押さえる左手甲を打ち抜こうとした。しかし・・・
「カグラ!!」
いつの間にか戻って来ていたリオンさんが彼女の衣服の首元を掴み、自らの方へと引っ張り倒した。
「り・・・リオン」
それと同時にうんともすんとも動かなかったカグラさんの硬直が解けてしまい、助けてくれた青年の顔を見上げている。
「全く・・・無事でよかった」
ふぅっと一息ついて安堵の表情を浮かべるリオンさん。でも彼と戦っていたウェンディとシェリアは?まさかと思い視線を一度切り二人の探す。
「ご・・・ごめんシリル・・・」
「せっかくのチャンスだったのに・・・」
やられてしまったのかと思っていた彼女たちは俺の後ろにやって来ており、申し訳なさそうな顔をしていた。ただ、やられてしまったのかと思っていただけに、二人が無事だったことに安心してホッとする。
「すまん、助かった」
「いい。お前がやられたらそこでおしまいだからな
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