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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第8話 恨みを持たない2人
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ンペラー』に恩賞の力で無理やりなっただけ、だから私はほとんど柵のない存在。目的とかそういうのはないの」

「ならどうして僕とリンクした?」

「…そんなことは簡単、君も私のモノに、逆でもいいわ、私を君のモノにしたかった、されたかったから」

「な…に?」

「私は君を気に入ったの。ガイアを打ち倒した後のあの隕石の処理、色々気に入ったの。その人生もね」

メリーはまたルイスの頬に触れながら話した。拘束も無く自由の身であるルイスはそれになんの抵抗もなくされるがままそれを受けていた。

「僕は嫌われて嫌われて嫌われて、憎まれて憎まれて憎まれて、生きてきた。そんな人生のどこに興味を引くことがある?」

「そうね、君はとても悲しい運命にある子だった。忌み子として生まれ、私達『タロットの騎士』に君を残してみんな殺され、鬼として生まれたことにより人間からは忌み嫌われる。そんな数奇な運命を生きた君なのに、どうして誰も憎んでいないの?」

「……」

「君を嫌った鬼達、鬼達を殺した私達、鬼を嫌う人間達、そんな人達を誰も憎んでいない。そんな君に興味を引くんだよ、私みたいに人生を幸せだけで過ごしたがための憎しみのない心とは違うのだから」

一つ一つ言い聞かせるような優しい声色で話したメリー。無言でその目をじっと見つめているルイス。今にも取り込まれるのではないかと錯覚させるようなその妖美な瞳を

「これから君と私は一心同体、もう離れることも出来ないの、それはもう付着の恩恵によって決められている事」

頬に添えられていた手はゆっくりと下へと下がり、ルイスの手を取り指と指の間へと艶めかしく滑り込ませる。

「仕方ない、と、割り切るしかないってことか?」

「そうね、もう君と私は夫婦の関係と言っても過言ではないわね」

「それは過言では無いのか?」

「君はもし、もう離れられない女がいる男の求婚に応じるような女がいると思うの?」

「………」

そんな女は、というよりそんな奴はいないだろう。一夫多妻制を重じ、それでも愛せるという方が希だ。

「これからよろしくお願いね、旦那様」

「複雑な心境だよ」

それもその筈だろう。幽霊と夫婦の関係を持つという事例は今まで聞いたこともないのだから。絡めていた指を解きメリーはルイスの隣に並ぶ。

「これで私と旦那様が殺し合う理由もないわね」

「お前の『ハイプリエステス』の恩賞はどうなるんだ?」

「あれはもう無いわ『タロットの騎士』の称号も捨てたもの。あっても必要ないもの特定した相手の行動を予測出来るものなんて」

「それにかかっていたと理解したとたん恐ろしいよ」

「それと、あまりお前にって言い方は好きじゃないわ。メリーと呼んでね」

「わ
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