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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第8話 恨みを持たない2人
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「私には生まれついて付着の恩恵を持っているの。だから人形をその場所に付着させたら私の指示以外では離れることはないの」

「…なら」

ふっと一瞬力を抜いた瞬間

「フェルナスロンド」

ルイスに触れていた人形達が音も無く塵が舞うように消滅していった。

「あら、案外スマートに脱出するのね。手足でも切って脱出するのかと思ったのに」

「生憎、無駄に命は削りたくないからね」

「それで?脱出出来ても私を消滅する方法はあるの?」

「………」

「今の魔法、大方触れているものを消滅させるようなものね。生憎私には触れられないの、それに君は重力も操るようだけどそれも私には効かない」

「…本体の人形を狙う……ただそれだけだ」

メリーがずっと抱えているメリーと瓜二つの人形。それに向けて指を突き出す。

「グラヴィエント」

指先から鋭い棘のような物体が射出されそのまま人形の頭部を撃ち抜いた。

「うぐっ!?…がっ…な…」

呻き声をあげ、膝から崩れ落ちたのはルイスの方だった。その間もメリーは人形を抱えたままルイスの見ていた。

「83」

その呟きと共にルイスの体は起こされる。

「何が…なぜ…」

「言っていなかったわね。君の思っている通りこの人形は私の本体、この人形が壊されれば私は消滅する。でもね、今は違うの」

「違う?…一体何が」

「今の私は君とリンクされているの。簡単に言えば君が死ねば私も死ぬ、私が死ねば君も死ぬ。でも、君が生き返れば私も生き返れる」

「じゃあ…」

「私を消したいんなら君もこの世から消えるしかないってこと」

そう告げられたことは明らかに重い、苦しいものだった。メリーを殺せば自分も死ぬ、そんな本末転倒な事が現実に起きることなどルイスは想像だにしなかったからだ。

「そんな事…不可能だ」

「現実を見ることも大切、実際に人形の頭を打たれた時君は苦しんで死んだ。その事実は揺るがないでしょ?」

「…お前は、僕をこのまま殺すのか?」

「……」

「僕の命はほとんどお前に預けられたものだ、もう僕は死んだも同然だろ」

「そうね」

「なら」
「私は君を殺す気なんてない」

このまま殺してくれ、と言葉を発しようとした時メリーが言葉を重ねてそれを阻んだ。

「は?」

ルイスには理解できない、いや、きっと誰にもメリー以外には理解できないだろう。『タロットの騎士』の目的は鬼の殲滅、つまりはその残党であるルイスを始末すること。それを殺さないと言ったメリーの考えがわからない。

「お前らの目的は僕を殺すことだろ?なのになぜ?」

「だって…私は別にそんな目的はないもの」

「は?」

「私は『エ
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