第55話 ハック
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、サソリが一息入れると画面の幾何学模様が回転を止めて、一つの円に収斂するように纏まり、中心に移行した。
『やるね』
パソコンから音声が流れて、サソリ達は身構えた。
「......ゼツか?」
『当たり〜。いやー、使いこなしているみたいだね』
音声の正体は、この学園都市で暗躍しているかつての同僚『ゼツ』であった。
人工音声の無機質な声が響く。
『驚いたね......こんな短時間で辿り着くなんてね。ククク』
「貴様らは何がしたい?」
『僕達は、僕らの計画に従って進めているだけだよ』
「計画だと?」
黒ゼツ達と闘っている時に奴らが口にしていた言葉だ。
そして、人工的に写輪眼を生み出した技術力を持っている。
それが関係しているのか?
『残念ながら、今回はここまでだね。データは好きにして良いよ』
「待て!!御坂美琴のクローンを造ったのはどういう事だ」
サソリの言葉に初春と白井が顔を見合わせた。
「え?御坂さんのクローンですか?」
「どういう事ですの?」
と口に出すが、サソリの真剣な表情に気圧されてそれ以上の言葉は見つからなかった。
『......消されたデータでも見てみれば良いんじゃないかな......関係しているしね。じゃあね』
画面中央に居た万華鏡写輪眼がボロボロと崩れ出すと画面が通常ののどかなデスクトップになった。
「......ちっ!」
人を小馬鹿にしたようなゼツの口調にサソリは、イラついたようで舌打ちをすると写輪眼を解除して、休憩を取るように横になった。
「大丈夫?」
「ここまで読めん奴だとは......」
計画
人工万華鏡写輪眼
クローン技術
ダメだ......情報が足らなさ過ぎる
まてよ......奴らはオレの身体を『マダラ』の身体って言っていたな
木の葉の里を創設し、存在自体が伝説に近い。
マダラの身体......
マダラのクローンを生み出していたのか
だが、なぜ
御坂のクローンを造ったのか分からん
混乱する頭に手を当てて、サソリは黙考している。
そして、首から背中にかけて嫌な感覚が走り出す。
幾多の戦闘を経験してきたサソリにとって何度も遭遇した予知感覚。
咄嗟の判断を誤った時に
取り返しのつかないミスをした時に
流れる後悔の前兆とも取れる感覚だ
「サソリ?」
心配そうに動きを止めたサソリを見ている白井達。
だが、サソリにもこの予知感覚が何を意味しているのか不明だった。
不明だから対処のしようがない
サソリは、現在唯一の手掛かりである削除されたデータの修復に取り掛かった。
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