第55話 ハック
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なりますね」
初春が手元にあるノートパソコンを起動させて、画面の上にある円形のレンズを指差した。
「ほう......よっと」
サソリは、資料と書物を乱雑に片付けながら起動したパソコンのレンズを見据えると万華鏡写輪眼を開いた。
パソコンのレンズに写輪眼が映り込むとキーボードを弄っていないにも関わらずにウィンドウが次々と展開して、コマンドプロンプトに大量の文字列が遡る滝のように流れだした。
「へっ?」
「思った通りだな......」
サソリの仮説は当たっていた。
パソコンというのは、人間の脳をモデルに造られた代物だ。
それに写輪眼は、人間の眼から脳に写輪眼の能力が伝播することで相手に効果を与える事が可能だ。
カメラのレンズは、眼を模倣した物
パソコンは、脳を模倣した物
つまり原理的には写輪眼を使えば、ハッキングを行うことが可能だった。
「ん?」
ウィンドウにはIDとpasswordを求める長方形が表示されている。
「ちょっ!何処にアクセスしているんですか!?」
「少し気になる所があってな」
サソリの万華鏡写輪眼が紅く輝き出して、大量の文字列から膨大な組み合わせを検証し、一文字当て嵌めていくと物の数秒でとある研究機関のコンピュータの中に侵入した。
ブラインドタッチを超えるノータッチ状態でハッキングを続けていくとサソリに、初春は苦笑いを浮かべた。
は、早い......
私でもこんなに早くは......
「んー.......消されたデータがあるようだな」
コンピュータ状に四散している削除したデータを集めると、初春のパソコンに全てダウンロードを開始した。
ダウンロードのバーが青く溜まり出していく
10%
30%
50%
70%
100%
ダウンロード完了
と表示され初春のパソコンに無題のファイルが追加される。
「凄い......」
「さすが私の恋人ね」
「誰がお前の恋人ですわ!?」
ガルルと威嚇する白井に片目を瞑り麦野は舌を出して、あっかんべーをした。
「このデータは?」
「さあな......可能な限り修復をしてみるか......?!」
突如として、画面が暗転して万華鏡写輪眼が画面いっぱいに表示された。
幾何学模様が回り出して紅い光を帯びている。
「お前ら見るな!!」
「えっ!?」
サソリが自衛のために万華鏡写輪眼を発動し、瞬時に印を結んで画面に表示された幾何学模様の影響を最小限に抑えた。
「な、なんか頭が超クラクラします」
一瞬だけ画面を見てしまった白井達は、頭を軽く叩きながら、眼を閉じたり開けたりを繰り返した。
「はあ......かなり写輪眼に近い代物だな......見続けていたら幻術に掛けられそうな反応だ」
印を結び終え
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