第55話 ハック
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鳴きだす。
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サソリが入室している病室では、白井と初春が見舞いに来ており、サソリはパソコンについての書物を読んでいた。
「......」
頭を軽く指で叩きながら、サソリは険しい表情で視線を動かしている。
「あのー...サソリ...ちょっとよろしいですの?」
「何だ?」
忙しいみたいで白井に目を向ける事なく手元の資料と書物を行ったり来たりしている。
「この方々は?」
サソリのベッドに集結している麦野と滝壺、絹旗が珍しそうにサソリの行動を観察していた。
麦野はサソリの脇に座り、少々にやけている。
「......何でもねぇ」
ぶっきらぼうにそう言い切るサソリに、白井はヤキモキしながらパイプ椅子から立ち上がった。
「何でもないはずありませんわ!何ですの!?このドキドキハーレム系の主人公みたいな状況は!?」
「し、白井さん落ち着いてください」
初春が困り顔でなだめる。
「これが落ち着いていられますかっての!」
ちょっと目を離すと女を引っ掛けてくる厄介なタイプですわ!
「まあ、サソリに超助けられた感じですかね」
絹旗がフードを被り直しながら、パイプ椅子の背もたれに深く腰掛けた。
「私はサソリの恋人候補みたいな感じね」
麦野がサソリの頭に体重を掛けて抱きしめた。
「うがぁぁぁー!離れなさいですわ!サソリには......まだ、早いですわ!それにサソリとは共に死線を潜り抜けた仲ですわ」
白井が阿鼻叫喚の叫びで震わせながら立ち、嫉妬の炎をメラメラと燃やした。
「あら〜。それは戦友じゃないの?私は恋人としてサソリが好みよ」
ギュッとぬいぐるみを抱きしめるように愛おしいそうにサソリに頬ずりした。
「鬱陶しい......くっつくな」
サソリは麦野の腕を外すと頬を押しのけた。
「つれないわね」
「こ、恋人候補には私がいますわ!」
「寸胴でまな板が何を言うかと思えば......女の魅力なら私が一番ね」
「ぐぬぬ!」
白井と麦野の背後に業火を迸らせた凶暴な猫と不敵な笑みに牙を尖らせた豹が互いに威嚇し合っているイメージが流れる。
「あの......」
「超バチバチですね」
二人の威嚇のせいか室温が上昇したように感じて、絹旗が胸元をパタパタと涼しい空気を服の下に流し込む。
「修羅場......」
滝壺が眠っているフレンダを眺めながら、ぼんやりと呟いた。
「初春少し良いか?」
「はい!?」
二人のネコ科の争いを意に介さぬようにサソリが手元の資料を見ながら初春を呼んだ。
「このぱそこんって奴は、人間の脳をモデルに造られたのか?」
「そう......ですね。まだ完璧に真似した訳ではありませんが」
「カメラみたいな部分はあるか?」
「はい、えっと......この部分に
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