第55話 ハック
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っていたメモ書き......
ありえない......
御坂は、走り出した。
頭では存在しない事が分かっているが
あの計画があった事でさえ、吐き気が出る程なのに。
ありえない
でも、でも......
病院の入り口を通り過ぎ、中庭のような場所に自分の能力を頼りに突き進む。
息が荒くなり、黄色い息が喉の奥からせり上がってくるような感覚だ。
「確か......はあはあ、この辺りから......」
一つの大きな樹木の下に黒い外套を身に付けた女性が木の上を眺めていた。
足下には黒い髪をした傀儡が力無く軽く崩れていた。
「?」
黒い外套を着た女性は、御坂の視線に気が付き振り返った。
服装こそ違うが御坂美琴にそっくりな顔をしていた。
「......ッ」
あってはならない現実を直視してしまった御坂は、暫し茫然としていたが眉を顰めると冷や汗を流しながらやっと思い出質問する。
「あんた何者?」
心臓が肋骨を破りそうな程強く拍動している。
二人が動向を探るように見つめ合うと外套を着た女性が指を動かすと、近くに崩れていた黒髪の人形が動き出した。
黒髪に裾が破れたような黒服の傀儡に御坂は見覚えがあった。
先の事件でサソリが扱っていた人形がそっくりそのまま動き出して、宙に浮いて御坂を見下ろしている。
「あ、あんた......それをどう」
「ミャー」
「は?」
あまりにも予想外の返事に御坂が素っ頓狂な声を上げた。
Mya!?
どういう意味?
ミャーっていう名前?
ミャーっていう組織に属しているって事?
それとも何か聞き間違えた?
ひょっとしたら日本語じゃないとか......
と高速で頭をフル回転させるが、自分の知識のストックにはない単語に混乱したが......
「......と鳴く四足歩行生物がピンチです」
黒い外套を着たミサカが指を指す。御坂が視点を上に向けるとまだ幼い黒猫が木の枝にちょこんと震えながら、下を向いていた。
ミャー
力無く怯えている色彩を帯びた鳴き声だった。
猫!?
「ここで傀儡の練習をしていました時に技の練習をしていましたら、あの生物は砂鉄の棘に驚いて木に駆け上がり、降りる事が出来なくなったのです......とミサカは懇切丁寧に経緯を説明します」
「はー、なるほど......はっ!?そんな事はどーだっていいのよっ!あたしはあんたが何なのかって聞いてんじゃないっ!ついでにその人形の事も!!」
ビクッと御坂の怒鳴り声に黒色の子猫が驚いて後ろ脚を滑らせた。
「あ、どうやらさらに危機的状況になったようです」
前脚で何とか木の枝に掴まっているが、まだ未熟な身体を必死に捩らせて登ろうとするが、後ろ脚が空回りするだけだった。
「助けな
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