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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第55話 ハック
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常盤台中学というのは、学園都市の中でも5本の指に入る屈指のお嬢様学校であり、入学条件の一つにレベル3以上の能力を有している者に限られている。
その中でも常盤台のエースとして名高い御坂美琴は、一般庶民が簡単に声を掛けて良い存在ではないのだが......

全っ然出ないわね......種類が多過ぎるわ

小学生集団を引き連れた御坂は、鬼気迫る表情で硬貨を投入してレバーを回している。
「あ、あの〜」
「しっ!目がヤバイ」
機械的に回していく御坂に小学生集団は、引きつつもなんか立ち去るのも出来ない強力な力(オタクの性)を初めて目の当たりにして戸惑っていた。

ガチャコン
海賊帽子を被った豚みたいなキャラのバッジ

ガチャコン
王冠を被った卵みたいなキャラ

ガチャコン!
ガチャコンガチャコン!
ガチャコンガチャコンガチャコン!

ガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコンガチャコン

何かのビートを刻みそうな勢いでガチャポンの中身が外の世界に排出されていく。
もはや、丸ごと買い取った方が早いのではないかと思うが、御坂の座った必死な形相には誰も逆らえないようである。

何故、学園都市屈指のお嬢様学校のエースがこんなアナログな遊びに興じているかと言うと、御坂が密かに集めている『ゲコ太』というカエルを模したグッズが缶バッジとしてガチャポンに出ていると知ったからである。
(同行している小学生の女子が胸元に装着していた)

そして、豊富な資金力にモノを云わせて、ガチャポンを御坂は回し続けていく。
無言でしゃがみ込んでの作業に哀愁さえ漂い始めた頃に、御坂は財布を取り出すと手近に居た子供に一万円札を出して押し付けた。
「ごめん!両替お願いっ」
「はぁ?何でオレが......」

その後は一心不乱にガチャポンのレバーを回し続けている御坂に、冷や汗を流したもう一人の少年が一万円札を渡された少年に耳打ちをした。

「こ、これは逆らわない方が良い」
「お......おう」
一万円札を大量の硬貨に両替してきて御坂のレバー回しに拍車が掛かった。

何だろう......
一万円札を崩し始めるとブレーキが壊れるようだ
アナログ機械との意地にも似た勢いで御坂はガチャコンと音を出して中身を全て出し尽くした。
「......」
「一コも入ってなかったね」

ガチャポンの中身と共に精魂を出し尽くした御坂は力無く項垂れた。
「えっと......」
さすがに、この惨状を見ていたカエルの缶バッジを装備していた女の子が哀れに思い御坂に声を掛けた。
「よ
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