IFエンド 「高町なのは」
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今何て言ったのかな?
私の聞き間違えじゃないならショウくんのお嫁さんになるとかどうとか……確かにあと10年と少しくらい経てば法律的には問題ないし、お父さんのお嫁さんになるって言葉は小さい娘は結構言う気がする。だけど
「それもダメ」
「何で?」
「何でって……ショウくんのお嫁さんになるのはなのはママなの」
「うぅー……だったら早くなってよ!」
ヴィヴィオは拗ねたように唇を尖らせると玄関を勢い良く開けて外に出てしまった。反射的に追いかけそうになってしまったが、途中で立ち止まっている姿がすぐ目に入ったので私の勢いは失速する。どうやら本気で拗ねたわけではないようだ。
「もう……少し良い子になってきたかなって思い始めてたのに」
「お前は少し厳し過ぎると思うがな。それ以上に良い大人が子供相手にムキになるなよって言いたいが」
「う……そうだけど」
私はヴィヴィオのお母さんでもあるけど、ショウくんの彼女でもあるんだよ。ヴィヴィオばかりに構って私に構ってくれなくなったら寂しいし。本音を言えば……ショウくんと手を繋いだり組んだりしてお買い物に行ったり、膝枕してあげたり、一緒にお、お風呂とかにも入って……その流れで。
次々と脳内に出現する妄想という名の強敵に私の頬は熱くなっていく。やることは最後までやってしまっているだけに内容も生々しく過激になってしまい、最近会えてなかったこともあって大分欲求不満らしい。今日1日でどれだけのことを考えてしまうのだろうか……
「ショウくんは……私の彼氏だもん。結婚の約束だってもうしてるし……ヴィヴィオにだって渡したくない。あの子にはあの子の大切な人が今後出来るはずだし」
「娘のことを敵視してるのか大切に想ってるのか分からん発言だが……俺がお前に向ける気持ちとヴィヴィオに向ける気持ちが全く同じなわけだろ。あいつは娘で……お前は女なんだから。将来的には嫁だけどな」
少し照れながら言うショウくんに私の胸がときめいてしまう。それに伴ってどんどん鼓動は高まり、ショウくんにも聞こえるんじゃないかと思うほどの大きさになる。
――もうショウくんのバカ、何でそんなこと言うの。そんなこと言われたら我慢できなくなっちゃうよ!
自分の気持ちを抑えきれなくなった私は、ショウくんの両肩に手を置くと背伸びして彼の唇に自分の唇を重ねた。一気に襲い掛かってくる幸福感に舌まで入れそうになってしまったけど、残っていた自制心がそれを止める。
「な……なのは」
「ショウくんが……悪いんだからね」
幸福感や恥ずかしさが混じり合ったあった何とも言えない感覚。多分一般的に女としての幸せと呼ばれるものを私は感じているんだろう。恋愛が人を変えると聞くが、この感覚を知ってしまうと納得が行く話だと思ってしまう。
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