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Three Roses
第二十話 早世の家その三

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「王位継承権もだ」
「第一位」
「マイラ様は第三位」
「全てで、ですね」
「マイラ様が遅れを取っていますね」
「その通りだ」
 太子はまた葡萄酒を飲みつつ述べた。
「妃はこのままでは女王にはなれない」
「どうしてもですね」
「今のままではですね」
「それは適いませんね」
「マリー様が女王となられます」
「このままではな、しかしだ」
 それでもと言うのだった。
「その為にだ」
「我々がいますね」
「我がロートリンゲン家が」
「我が家の力を使い」
「マイラ様をですね」
「この国の女王にする」
 絶対にというのだ。
「その為に使うものは全て使う」
「鼻薬をですね」
「送れるだけ送る」
「そうしますか」
「帝国の財を以てすれば」
 それこそというのだ。
「この国で取り込めそうな者を全て取り込むことはだ」
「安いものですね」
「少ない額ですね」
「戦争にかかる金を思えば」
「微々たるものですね」
「賄賂は安くつく」
 それも非常にという言葉だった。
「かえってな」
「だからですね」
「ここは、ですか」
「賄賂を使いますか」
「この国でも」
「そうする」
 まさにと言うのだった。
「いいな、そしてだ」
「この国の力のある者達を抱き込み」
「そのうえで、ですね」
「マイラ様を女王に」
「そうしていきますか」
「大規模にはじめることだ」
 今のうちからとだ、太子は側近達に話した。
「今からな」
「これまでも動いていましたが」
「これからhですね」
「大いに動き」
「そのうえで」
「この国の者達を抱き込み」
 賄賂によってというのだ。
「妃への支持を取り付ける」
「軍もですね」
 側近の一人が太子に問うた。
「彼等も」
「無論だ」
「やはりそうですか」
「軍は今は王の下にありだ」
 そしてというのだ。
「マリー王女を慕っているが」
「その軍にもですか」
「賄賂を出す」
「そしてそのうえで」
「彼等を味方につける」
「そうしますか」
「旧教の士官達も多い」
 軍の中にはというのだ。
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