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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十九話 オブザーバー
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姿に頓着が無いようだが、これでも学校ではその容姿から、ショタ顔女子キラーで通っている。
とはいえ、当の本人が女子と話すことはほとんどないのだが……それというのも……
「き、きょうはあの子供たちと、い、一緒じゃないの……?」
「一緒じゃねぇ、っていうか、一緒だけどおいてきたんだよ、彼奴ら居たらお前話せねーだろ?」
この極度の人見知りのせいであり、それに伴う赤面癖のせいである。
基本的に、彼はいつ誰と話していてもその顔を突き合わせて会話することが無い、というより、会話することそのものを避けるタイプだ。会話するにしても、壁を一枚隔てるか、受話器越し出ないと会話にならない。加えて言えば、言った通り重度の赤面癖のある少年であり、初対面の相手と他人と会話するときはほぼずっと顔が朱いうえ、大体会話する前に隠れる。
今ライノと話している様子を見る限りはそんなことはないが、これはライノとはすでにそれなりに仲がいい為で、ここまでこぎつけるだけでもそれなりに時間を要した。
ちなみに、これが相手が女子だともっとひどい、というか、そもそも言葉を交わすどころではなくなる。それくらい極度の人見知りであり、恥ずかしがりやなのが、彼なのだ。
「今日はどうよ、うまくやれそうか?」
「……うん、やれるよ」
しかしライノが小さく笑ってそう聞くと、彼は少し朱くなりかけていた頬を引き締め、真剣な表情で静かに返す。凡そ何時も色々な理由で自信なさげにしている彼が、殆どライノくらいにしか見せない表情だ。
「そりゃ結構……頑張れよ。お前の夢、俺も悪くねぇと思ってるし、応援するからよ」
「はは……で、でも、それだとライノは苦しくない?今日、両方応援しなきゃいけないよ?」
「……ウチのチビ達が言ってたんだよ」
「?」
苦笑しながら言うライノに、レイリ―が何を?と聞くように首を傾げた。それにこたえるように、ライノが笑う。
「チームメイト同士が戦うことになっても、その二人は二人とも大切なチームメイト、だから、どっちにも悔いが残らないよう祈りながら、思いっきり応援するってな」
「優しい、子達だね」
「だろ?」
自慢するようにそう言ったライノに、レイリ―も笑い返した
「んなもんで俺も見習って、お前らを両方応援してやる、両方とも、大事なダチだからな」
「……ありがとう、ぼ、僕、嬉しいよ、ライノにそんな風に言ってもらって……ら、ライノくらいだし……」
「あ?何言ってやがる」
「え?」
呆れたように返すライノは、さも当然のように肩をすくめて、こう続けた。
「試合が終わったころにゃ、“彼奴”も同じこと言うようになるぜ。精々ビビってこい」
「ほ、ホント?」
「あぁ」
ありえない、といいたそうな顔をして、そういうレイリ―に、ライノは当然だと言わんばかりに
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